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潮干潟(しおひがた)、干潟(ひがた)

 
 

潮干潟(しおひがた)

 
「彼岸潮」(ひがんじお)とは、
彼岸の頃には潮の干満が
一年で最も大きくなると言われています。
遠浅の海岸では、干潮時になると
遠くまで広々と「干潟」(ひがた)が現れます。この干潟を「潮干潟」(しおひがた)と言います。
 
昔から毎年、旧暦三月(新暦四月)初め頃には
(はまぐり) や浅蜊 (あさり)、馬刀貝 (まてがい)
などを採るために「潮干狩り」に大勢の人々が
繰り出しました。
 
 

干潟(ひがた)

「干潟」とは
 
干潮時に干上がり、満潮時には海面下に没し、
潮間帯においては砂質または砂泥質の浅場が
広がっている場所を「干潟」と言います。
「干潟」にはプランクトンなどの微生物から、
カレイ・マハゼ・アサリなどの魚貝類に、
それらを食べに来る水鳥など多くの生き物や
植物が生息しています。
 
 
日本の「干潟」の90%以上は、
千葉県以南の本州の太平洋側、
四国、九州に分布し、
潮位差が小さい日本海側や北海道沿岸では
あまり発達していません。
 
「干潟」の種類
「干潟」は地形的な特色により、
「前浜干潟」「河口干潟」「潟湖干潟」の
3タイプに分類されます。
(環境省、1994年)によると、
「前浜干潟」が63.6%と最も多く、
「河口干潟」が30.4%、「潟湖干潟」が5.5%、
「人工干潟」は0.5%となっています。
 
前浜干潟(まえはまひがた)
河口から外の海岸線や沖合いまで広がる、
河川などにより運ばれた砂泥が
海に面した前浜部に堆積して形成された
干潟です。
例えば、東京湾や瀬戸内海には、
「前浜干潟」が広がっています。
 
河口干潟(かこうひがた)
川の本流に沿って河口に広がる
川と海が合流する地点で、
潮の満ち引きにより形成された干潟です。
太平洋沿岸に「河口干潟」が広がっています。
 
潟湖干潟(かたこひがた)
砂丘三角州や潟湖など
海から隔てられた閉鎖的な場所に多く見られる
潮の流れで運ばれてきた砂により、
河口が塞がれるように囲まれて形成された
干潟です。
例えば、九州の有明海や筑後川沿いに、
「潟湖干潟」が広がっています。
 
「砂浜」と「干潟」の違い
 
「砂浜」は海岸に蓄積した砂地であり、
常に日光に晒されています。
一方「干潟」は、潮の満ち引きによって
形成された砂泥地であり、
海底に沈んだり、日光に晒されたりします。
そのため「砂地」より
プランクトンなどの微生物の数が多く、
よりたくさんの生物を観察することが
出来ます。
 
「干潟」の現状
 
かつては全国各地にあった「干潟」ですが、
「干潟」の現状は残念ながら深刻です。
1950年代には約42,000haありましたが、
干拓や湾岸の埋め立てなどによって
令和4(2022)年には約15,000haまで
減少してしまいました。
 
それにより、
・生物多様性の低下
・漁業資源の減少
・洪水被害の増加
・海面上昇への対策の困難化
など、深刻な影響が出ています。
 
「干潟」の重要性への理解が広がり、
残された数少ない「干潟」では、
清掃活動や植樹活動などの
「干潟」を守る取り組みが広がっています。