「辛酉」(かのととり)は、
干支の組み合わせの58番目で、
「陰陽五行」では、
「十 干」の「辛」は「陰の金」、
「十二支」の「酉」も「陰の金」で
「比和」(ひわ)です。
「比和」とは、五行同士の関係性の中で、
同一五行になる関係のことです。
「木と木」「火と火」「土と土」
「金と金」「水と水」の組み合わせが
「比和」の関係になります。
「気」が重なることによって、
更にその「気」が高まります。
良い方向に働けば、ますます良くなりますが、
悪い方向に働けば、ますます悪くなる
組み合わせです。
「辛酉」(かのえとり)は、
「庚申」(こうしん)に続いて
「干支」の「辛」「酉」ともに
「金性」なので「比和」です。
かつ「辛」は「陰」の気なので、
「庚申」(こうしん)よりも
冷やかさが増すとされました。
壬子 | 水 | 水 | ◎ |
⇧
八
専
⇩ |
癸丑 | 水 | 土 | 間日 | |
甲寅 | 木 | 木 | ◎ | |
乙卯 | 木 | 木 | ◎ | |
丙辰 | 火 | 土 | 間日 | |
丁巳 | 火 | 火 | ◎ | |
戊午 | 土 | 火 | 間日 | |
己未 | 土 | 土 | ◎ | |
庚申 | 金 | 金 | ◎ | |
辛酉 | 金 | 金 | ◎ | |
壬戌 | 水 | 土 | 間日 | |
癸亥 | 水 | 水 | ◎ |
干支の中には、
特別な意味を付与されたものがあります。
その代表的なものが、
「甲子」「戊午」「辛酉」。
古代Chinaでは、
「甲子」の年は「甲子革命」(かっしかくれい)が、
「戊辰」の年は「戊辰革運」(ぼしんかいうん)
という政変が起きるとされ、
「辛酉」の年は大変革で王朝が変わる
「辛酉革命」(しんゆうかくめい)があるとされ、
これら3つを合わせて「三革」(さんかく)と言い、これらの年には異変が起こりやすいとして、
よく改元が行われました。
日本の陰陽道の考え方では、
「甲子」(かっし・きのえね)の年は
「革令」(=政令を新たに出す)する年、
「戊辰」(ぼしん・つちのえたつ)の年は
「革運」(=運気が改まる)の年、
「辛酉」(しんゆう・かのととり)の年は、
「革命」(=革命が起こる)の年として、
この三つを「三革」と呼びました。
これは政治的変革が起るのを防ぐ目的で、
平安時代に三善清行(みよしのきよゆき)という
文章博士(もんじょうはかせ)が
「辛酉革命説」を唱え、
天皇に『革命勘文』(かくめいかんもん)を上奏し、
昌泰4(901)年の「辛酉」の年に
元号を「延喜」(えんぎ)の改元となりました。
「革命」の改元はこの「延喜」に始まり、
それ以降、わずかの例外を除き幕末まで
辛酉と甲子の年には改元が行われました。
それは数にして31に上ります。
『日本書記』では、神武天皇の橿原宮での
即位も「辛酉」の年、西暦では紀元前660年に
当たります。
《辛酉の年》
紀元前900年 紀元前840年 紀元前780年 紀元前720年 紀元前660年 紀元前600年 紀元前540年 紀元前480年 紀元前420年 紀元前360年 紀元前300年 紀元前240年 紀元前180年 紀元前120年 紀元前60年 |
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2041年 2101年 2161年 2221年 2281年 2341年 2401年 2461年 2521年 2581年 2641年 2701年 2761年 2821年 2881年 2941年 : |