うまずたゆまず

コツコツと

「夏の土用の丑の日」、鰻を食べること以外の風習

 
「夏の土用の丑の日」と言うと、
鰻を食べるというイメージはありますが、
この他にも様々な風習があります。
 
 

土用祈祷(どようきとう)

 
土用の期間中に行われる祈祷を
「土用祈祷」(どようきとう) と言います。
特に「夏の土用の丑の日」には、
無病息災や暑気払いなどを願って、
様々な祈祷が行われます。
 
土用護摩(どようごま)
 
一年中で最も病疫に罹りやすい
「夏の土用」の特に「丑の日」に、
護摩壇を設け、護摩木を焚いて、
無病息災、病気平癒、交通安全、家内安全、
息災延命、健康増進などを祈願する、
真言宗の寺院で行われることが多い行事です。
 
土用念仏(どようねんぶつ)
 
各地で様々な形式がありますが、
農耕儀礼の性格が強く、
農作物の旱害、虫除けを祈願すると共に、
疫病災難除なども祈願されます。
寺に檀家衆が集まって、
大数珠を回して念仏を唱える、
輪になって踊ることなどもあります。
「夏念仏」(なつねんぶつ) とも言います。
 
きゅうり封じ
 
きゅうりに病気や厄を封じ込めて
無病息災を祈願する行事です。
弘法大師が伝えたとされる秘法として、
知られています。

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焙烙灸祈祷(ほうろくきゅうきとう)
 
「焙烙灸祈祷」(ほうろくきゅうきとう) とは、
江戸時代から主に日蓮宗のお寺を中心に
行なわれてきた祈祷行事です。
頭に素焼きの焙烙 (ほうろく) を乗せ、
更にその上に艾 (もぐさ) を乗せて火をつけて
御祈祷してもらうと、
頭痛封じ、夏負け、夏バテ防止の御利益を
得ることが出来ると言われています。

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御手洗詣(みたらしもうで)
 
「土用の丑の日」、京都の「下鴨神社」(糺宮) の
東側を流れる清流・御手洗川で修する行事に
詣でること。
社頭で手を洗い、口を漱ぎ、
納涼を兼ねて御手洗川に足を浸し、
御神水を飲み、無病息災を祈ります。
「糺の納涼」「糺参り」とも言います。
 
御手洗川は土用になると
池周辺や川底から清水が湧き、
その水泡を団子に象って「みたらし団子」が
生まれました。

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金運あじさい
 
「土用の丑の日」に、
「紫陽花」(あじさい) を飾ると、
「疫病除けになるので病気に罹らない」とか、
「金運が上がる」、「家が栄える」などという
言い伝えが残っています。

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食べ物編

「う」のつく物を食べる
「土用の丑の日」に
「う」の字がつく物を食べると夏負けしないと
言われています。
うどん、梅干し、瓜(胡瓜・西瓜・冬瓜…)など、
「う」のつく食べ物は、
夏バテ防止や健康維持に良いとされています

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「黒い」物を食べる
 
「丑」の方角(北北東)を含めた
北の守護神「玄武」にあやかって
「黒いものを食べるとよい」という風習が
あります。
「鰻」や「蜆」を食べる謂れも
そもそもここから来ているのでしょうか?
 
 
なお「う」から始まる「黒い食べ物」は
「鰻」「蜆」以外では、
「雲丹」「黒牛」「烏骨鶏」がありますが…、
いずれも高級食材で手が出ません。
 
 
泥鰌料理(どじょうりょうり)
 
「鰻」と同じく「精のつく黒い食べ物」として
特に石川県金沢では「土用の丑の日」に
「泥鰌の蒲焼き」を食べる風習があり、
名物料理になっています。

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土用蜆(どようしじみ)
 
「『土用蜆』(どようしじみ) は腹薬」とは、
「夏の土用」の時期に食べる「蜆」(しじみ) が、
肝臓の働きを助け、夏バテ防止や
食欲不振の改善に効果があることから、
そう呼ばれるようになった言葉です。
 
「蜆」の旬は、「夏」と「冬」の2回あり、
夏の「土用蜆」は産卵前で
身は殻一杯に大きく、栄養価も高いと
言われています。

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土用餅(どようもち)
 
「土用餅」(どようもち) は、
「夏の土用の丑の日」に食べると良いと言われる
あんころ餅です。
宮中で丸めた餅を味噌汁に入れて食べる習慣に由来するとされています。
やがて宮中での習慣が変化し、
江戸時代に入ると、
小豆餡に包んだ餅を食べるようになりました。
赤い小豆は邪気を払い、災難を除けるとされ、
餅は力が付くと信じられていたことからです。
なお「土用の入りの日」に食べる地域もあります。

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土用粥(どようがゆ)
 
静岡県静岡市では、百合の根を入れた
「土用粥」(どようがゆ) を食べます。
 
 

養生編

丑湯(うしゆ)
 
「夏の土用の丑の日」に
薬草を入れたお風呂にゆっくりと浸かる風習を
「丑湯」(うしゆ) と言います。
疲労回復や夏バテ防止に効果があると言われ、
健康維持のおまじないとして知られています。
 
「丑湯」に入れる薬草は様々ですが、
桃の葉、菖蒲、ドクダミ、緑茶、サネカズラ、
いちじくの葉などが人気です。

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丑浜(うしはま)・
潮湯治(しおとうじ)・
牛の祇園(うしのぎおん)
 
「土用の丑の日」には、
山から薬水が流れて来るので、
水浴びや潮湯治 (病気治療のために海に浸かる)
をすると疫病除けになると言われ、
静岡県や徳島県には「丑浜」と称して
一種の海水浴のようなことがなされ、
「丑浜」という地名が残っている地域もあります。
 
 
かつて新潟県の浜には、潮湯治の人が集まり、
丑の日前夜は賑やかだったと言います。
そして昼には、農耕馬や農耕牛も潮湯治を
させたそうです。
中国地方でも「牛の祇園」(うしのぎおん) と言い、
牛を海辺に連れて行って洗ってやり、
村の小社に引いて参ったそうです。
 
薬狩り
 
昔から、「夏の土用の丑の日」に採った薬草が
特に薬効があると言われ、
厄除けや病除けとして
「薬狩り」をする地域もあります。
 
 
新選組の副長を務めた土方歳三の生家では
「石田散薬」(いしださんやく) という薬を
製造・販売していましたが、
多摩川の支流の浅川に生えている
「牛革草 (牛額草)」(ぎゅうかくそう) という薬草を
原材料としていました。
これは「ミゾソバ」のことで、土方家では、
「土用の丑の日」限定で刈り取っていました。