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コツコツと

「紅葉」(こうよう)した美しい風景を表現する言葉

 
 

紅葉の美しさを表現する言葉

日本には、紅葉の美しさを表現する言葉が
たくさんあります。
紅葉風景を表す言葉を集めてみました。
 
山装う(やまよそおう)
 
紅葉で彩られた秋の山を言います。
春の「山笑う」、夏の「山滴る」、
冬の「山眠る」に対する言葉です。
 
北宋時代の山水画家・郭熙(かくき)の
『山水訓』から来ています。
 
 春山淡冶而如笑(春山淡冶たんやにして笑うが如し)
 夏山蒼翠而如滴(夏山蒼翠そうすいにして滴るが如し)
 秋山明浄而如粧(秋山明浄めいじょうにして粧うが如し)
 冬山惨淡而如眠(冬山惨淡さんたんとして眠るが如し)
 
・山笑う(やまわらう)
 春の芽吹き始めた華やかな山の様子のたとえ。
 
・山滴る(やましたたる)
 草木の葉で覆われて緑が滴るように見える
 夏の山の様子のたとえ。
 
・山粧う(やまよそおう)
 紅葉で美しく色づいた秋の山の様子の
 たとえ。
 
・山眠る(やまねむる)
 静まり返った冬の山の様子のたとえ。
 
錦秋(きんしゅう)
 
草木が色とりどりに紅葉した秋を
「錦秋」(きんしゅう)と言います。
錦は何色もの色糸を用いて、
華麗な模様を織り出した織物の総称ですが、
豪華で高級な織物の代表として、
美しいもの、立派なものを例える言葉として
使われてきました。
 
 
なお同じ読みで「金秋」という言葉があります。
これは「五行説」の「金」が季節では、
「秋」に当たることから出来たもので、
紅葉の時期だけでなく広く「秋」を言います。
 
山の錦(やまのにしき)
 
山の木々が紅葉して美しい様子を、
錦に例えた言葉です。
紅葉により山々が朱や黄金色に染め上げられる
景観は、「山の錦」にまさに相応しいですね。
 
野山の錦(のやまのにしき)
 
草紅葉、木々の紅葉に覆われた山野を、
錦にたとえて愛でた言葉です。
 
紅葉の帳(もみじのとばり)
紅葉が一面に広がっている様子を、
(とばり) に見立てていう言葉です。
 
 (とばり) は、室内や外部との境などに垂らして
区切りや隔てとする布帛 (ふはく) のことで、
目隠しの役割から、物を覆い隠すことや、
遮って見えなくするという意味を
持つようになったと言われています。
 
紅葉筵(もみじむしろ)
 
紅葉が散り敷いた様子を
「筵」(むしろ)に見立てていう言葉です。
「紅葉蓆」と表記することもあります。
 
谿紅葉(たにもみじ)
 
紅葉で彩られた谷の風景を指す言葉です。
 
紅葉の川(もみじのかわ)
紅葉した葉が落ちた川。
川の水面に浮かぶ紅葉も風情がありますね。
 
庭紅葉(にわもみじ)
 
紅葉で色どられた庭を指す言葉です。