10月1日は「コーヒーの日」です。
この日は「コーヒー年度」の
スタートに当たる日である他、
日本ではこれからの季節、
温かいコーヒーの消費量が増え始めることから、
「全日本コーヒー協会」が昭和58(1983)年に
10月1日を「コーヒーの日」と定め、
日本のコーヒーの新たな魅力を創出し、
コーヒーの素晴らしい美味しさを
消費者に再認識していただくために、
需要拡大に取り組んできました。
ところで、お米に
「米穀年度」(べいこくねんど) があるように、
コーヒーにも「コーヒー年度」があって、
10月1日から翌年の9月末日までを
1年度としています。
「コーヒー年度」が10月に始まるのは、
世界の全生産量の約30%を誇る
世界一のコーヒー生産国であるブラジルの
コーヒー栽培のサイクルに関わっています。
順 位 |
国名 (地域 ) |
生産量 (t) |
世界計 構成比 |
1 | ブラジル (中南米) |
3,172,562 | 29.4% |
2 | ベトナム (アジア) |
1,953,990 | 18.1% |
3 | (アジア) |
794,762 | 7.4% |
4 | コロンビア (中南米) |
665,016 | 6.2% |
5 | エチオピア (アフリカ) |
496,200 | 4.6% |
6 | ウガンダ (アフリカ) |
393,900 | 3.7% |
Global Note 2024年1月29日発表された
2022年の78か国の最新データ
2022年の78か国の最新データ
「コーヒー豆」は、元々、
「コーヒーノキ」と呼ばれる植物の
果実「コーヒーチェリー」の種子の部分です。
「コーヒーノキ」を育て、
収穫した「コーヒーチェリー」から
種を取り出して乾かし、
薄い殻を取れば「生豆」となり、
それを焙煎して抽出することで
「コーヒー」となります。
基本的に「コーヒーチェリー」が実る
収穫期は年に1回。
ブラジルでは5月〜9月が収穫期となり、
毎年9月にほぼ全ての収穫を終えます。
これにより「国際コーヒー協会」では
「コーヒー年度」を定めて、
10月1日を「コーヒー年度」の始めとしました。
「全日本コーヒー協会」では、
昭和58(1983)年より、
この「コーヒー年度」の始めの日、
10月1日を「コーヒーの日」に制定しました。
そして「国際コーヒー機関(ICO)」は、
平成27(2015)年に10月1日を
「国際コーヒーの日 (International Coffee Day)」に制定しました。
今では世界のコーヒーファンに親しまれる
記念日となりました。
ところでコーヒー業界では
しばしば「クロップ」という単語が使われます。
「クロップ」とは「収穫物」のことで、
コーヒーの場合は「生豆」(なままめ) 、
つまりは焙煎前の豆のことを意味します。
前述の通り、コーヒー業界では
10月1日から新しい「コーヒー年度」が始まり、「クロップ」の名称も変わっていきます。
<ニュークロップ>
「ニュークロップ」はお米で言うと
「新米」に相当し、
収穫されてから数か月以内の生豆のことです。
収穫されて日が経っていないコーヒー豆は
水分を多く含んでいるため、
青緑色をしています。
香りを活かし、酸味のスッキリとした
シングルオリジンコーヒーに向いています。
<カレントクロップ>
「カレントクロップ」は、収穫後一年以内で、
「ニュークロップ」よりも少し時間が経った、
生豆のことです。
「ニュークロップ」よりも
少しだけ水分量が減っているため、
緑色をしています。
「ニュークロップ」と比べると
香りや味わいが少し収まり、
丸くなっているので
シングルオリジンだけでなく、
ブレンドコーヒーにも向いていると言えます。
<バーストクロップ>
ニュークロップ、カレントクロップがその年の生豆なのに対して、
「パーストクロップ」は
前年度に収穫された生豆のことで、
色合いは少し黄色がかっています。
「ニュークロップ」 「カレントクロップ」 に比べ、
酸味の角が取れた
少し落ち着いた味わいになります。
更に焙煎すると、
味や香りは少し落ち着いた感じなり、
しっかりとした酸味を必要としない
「エスプレッソ」に向いています。
<オールドクロップ>
「オールドクロップ」は、
収穫後2年以上経過している生豆のことです。
「パーストクロップ」より更に
黄色がかった色合いをしています。
古い豆や劣化した豆と考えられることが多く、焙煎しても味わいや香りが
抜けていることがありますが、
独特なコクを加えるために
他の豆に少しブレンドされることがあります。
また強い酸味を持つコーヒー豆の場合は、「ニュークロップ」時よりも、
収穫から時間が経った「オールドクロップ」が
飲みやすくなることもあります。
<エイジドコーヒー>
ホコリやカビを防ぐために
徹底的に管理された倉庫の中で
3〜5年の間保管された豆を
「エイジングコーヒー」と言います。
ゆっくりと時間を置いて熟成することによって
まろやかで深みのあるコクと
甘く芳醇な香りを持つコーヒーに
生まれ変わります。