「新御霊」「御霊さま」「七島正月」など、
12月10日~25日頃に、
「巳正月」(みしょうがつ)に通じる習わしが、
東日本にも見られます。
死者が初めて迎えるお盆を「新盆」、
初めて迎える正月を「巳正月」と言います
「新御霊」
(あらみたま)
信州の真ん中から南にかけた地域
「中南信」(ちゅうなんしん)では、
その年に亡くなった新しい先祖を
「新御霊」(あらみたま)と呼び、
「お寂しい年の暮れで」などと
御挨拶をしながら、金品を持参し
改めてお見舞いに伺う慣習があります。
本来は、死者の霊が「お盆」同様に
「正月」にも家に戻るとされ、
新仏のいる家では
正月を迎えることが出来ないので、
12月31日の夕刻以後に、
縁のある方々が喪主の家を訪れて
仏壇に向かってお参りしたようですが、
現在は、年末の土日などに伺うことが
多いようです。
「御霊さま」
(おみたまさま)
東北や信越の地方などでは、
「お盆」と同様に、
正月にも神棚や仏壇とは別に、
「御霊さま」(おみたまさま)を祀る棚を
設ける慣習があるそうです。
年明けに「歳神様」を祀る慣習が広がる中、
「御霊さま」は年の暮れに移っていった
のではないかとも言われています。
古い日本の信仰には、仏教伝来以前から、
1年に2度、夏と冬に祖霊を迎え、祀る慣習が
あったのではないかと言われています。
「七島正月」
(しちとうしょうがつ)
祖霊を祀る12月の習わしは、
南方の島々にも見られます。
鹿児島県側の薩南諸島の
「吐噶喇列島」(とかられっとう)では、
旧暦12月1日から上旬にかけて、
おやだま(祖霊)を祀って正月を祝う、
「七島正月」(しちとうしょうがつ)が
行われています。
または気候の関係で収穫が早いため、
正月の時期も早まったのではないかとも
言われています。