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英国君主の誕生日、なぜ年に2回あるの?

 
 

「公式誕生日」とは?

 
英国の歴代の君主達と同じように、
現国王・チャールズ3世 (King Charles III) には、
年に2回、誕生日があります。
チャールズ3世ご自身の誕生日は、
1948年11月14日。
そして毎年6月第1から第3のいずれかの土曜日が
「King's Birthday」とか「Sovereign's Birthday」
と呼ばれる「公式誕生日」になります。
 
起源
 
二つの誕生日を持つ習慣が始まったのは、
1748年、ジョージ2世 (King George II) が
「公式誕生日」と「軍旗分列行進式
(トゥルーピング・ザ・カラー)」を
まとめて6月に開催したのが起源だと言われて
います。
 
ジョージ2世の誕生日は
チャールズ国王と同じ11月でしたが、
英国の11月は寒くて、雨が降りやすい
気候の中でも一層悪い時季。
そこで晴天の続く6月を選んだという説も
あります。
 
 
ただそれ以来、
英国国王は自分の誕生日の他に、
夏の軍事パレード
「トゥルーピング・ザ・カラー」の日を
「公式な自分の誕生日」として祝うのが
伝統となっています。
毎年6月、ロンドンでは、軍のパレード
「トゥルーピング・ザ・カラー」が、
ロイヤルファミリーの参加の下に行われます。
 
当日のスケジュールと見どころ
 
一連のパレードは9時頃から
馬車に乗った王室メンバーとともに
バッキンガム宮殿を出発し、ザ・マルを通って、
セント・ジェームズ・パーク前の
ホースガーズパレード (Horse Guards Parade)
まで移動します。
 
 
「トゥルーピング・ザ・カラー」は
10時から始まります。
チャールズ3世が
ホースガーズパレードに到着すると、
国歌「God Save the King」が演奏され、
国王が衛兵の検閲を行います。
 
12時52分、グリーンパークにて
国王の誕生日を祝う41発の祝砲が放たれます。
 
そしていよいよ祝賀イベントハイライトです。
バッキンガム宮殿正面のバルコニーに、
国王や王室の面々がお出ましになります。
 
そして13時には、
「トゥルーピング・ザ・カラー」の締め括り、
ロイヤルエアーフォース(RAF)の
レッドアローズによるフライパストが
行われます。
 
ロイヤルファミリーが
バッキンガム宮殿のバルコニーに勢揃いし、
ユニオンジャックの旗が並ぶ宮殿前の通りは、
国王の誕生日を祝う人々で埋め尽くされます。
そして大歓声の中、
赤・白・青のスモークを出しながら
バッキンガム宮殿やロンドン市内上空を
通過します。
 
パレードを観覧するには?
1. ホースガーズパレードでの式典観覧
 (要チケット)
kbp.army.mod.uk
この式は正式な国家行事のため、参加するには、ドレスコードがあるそうです。
そしてドレスコードを守っていない場合は、
入場を拒否されることもあるようです。
 
2. ザ・マル沿いからのパレード見学
 (チケット不要・無料)

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パレードの前に、数週間かけて行われる
リハーサルの模様をザ・マルから見学することが
出来ます。
 
3. 宮殿バルコニーとフライパストの見学
 (チケット不要・無料)
 
4. 自宅でBBCの生中継を楽しむ
 
5. youtubeを見る

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トゥルーピング・ザ・カラー
(TROOPING THE COLOUR)

夏に行われていた軍事パレードのことです。
英国の君主の「公式誕生日」では、
「トゥルーピング・ザ・カラー」
 (TROOPING THE COLOUR) と呼ばれる
軍事的なパレードが
260年以上に渡って行われてきました。
 
トゥルーピング・ザ・カラーとは
Troop は「集団で行進」や「軍隊、一団」、
Colour は英陸軍を構成する様々な
「連隊が持つ軍旗」を指します。
 
各部隊の「軍旗(カラー)」は、各部隊の記章や、
各部隊が戦い、健闘した歴史的な場所を記した
名誉勲章 (Battle Honours) がデザインされ、
隊よって色やデザインが大きく異なります。
 
18世紀当時、英国軍は「軍旗(カラー)」によって
それぞれの部隊を識別していました。
戦争の際には、「軍旗(カラー)」が
敵、味方の目印だったのです。
 
そこから、我が部隊(トゥルーピング)の
軍旗の色(カラー)を見せて行進する式典、
「軍旗敬礼分列式(トゥルーピング・ザ・カラー)」
と呼ばれるようになりました。
 
この式典には、近衛兵及び国王騎馬砲兵隊、
合同軍楽隊が参加し、
近衛歩兵連隊(Foot Guards)が順番に
「軍旗(カラー)」を英国君主に披露するのが
慣例となっています。
 
起源
260年以上に渡って行われてきた
英国君主の公式誕生日を祝う軍事的なパレード
「トゥルーピング・ザ・カラー」は、
清教徒革命後の英国で王政復古を成し遂げた
チャールズ2世の治世(1660-85)に
初めて行われたと考えられています。
 
そして1748年に、
ジョージ2世の公式誕生日の
祝賀行事として決定され、
1760年にジョージ3世の即位以降、
毎年恒例のイベントとなりました。
 
2023年の
「トゥルーピング・ザ・カラー」

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チャールズ3世にとっては即位後初となる
2023年6月17日の「公式」誕生日では、
国王も馬に乗ってパレードに参加されました。
1400人の兵士隊、200頭の馬に400人の音楽隊を
率いるチャールズ国王のすぐ後ろには、
エリザベス2世の第1王女・アン王女、
エリザベス2世の第3王子
・エディンバラ公 (エドワード王子) に、
ウィリアム皇太子も騎乗して
国王をサポートされました。
 
故エリザベス2世が最後に騎乗されたのが
1986年だったので、
37年振りの国王の騎乗でした。
 
2024年の
「トゥルーピング・ザ・カラー」

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2023年は馬に乗ってバッキンガム宮殿から
ホースガーズまで移動したチャールズ国王も、
がんの治療中のため、今年は体調を考慮して
馬上ではなく馬車から臨みました。
アン王女は昨年に続き馬に乗って登場。
ウィリアム皇太子も騎乗して
パレードに参加しました。
 
またがんの治療のために、
同年1月に腹部の手術を受けたキャサリン妃も
記念行事に参加しました。
キャサリン妃は、家族と共に馬車に乗り、
バッキンガム宮殿からホースガーズパレードへ
向かいました。
そして他の王族と共に
バッキンガム宮殿のバルコニーに並んで、
笑顔で手を振っていらっしゃいました。