正月三が日に、
ご挨拶に伺うことを「お年始」、
その時に贈るものを「お年賀」と言います。
「お年始」は、元々は、
農村部で行なわれて来たお正月の行事に由来します。
当時は「年賀」とも呼ばれ、
分家が本家に集まって、
「歳神様(年神様)」を祀って新年を祝っていました。
それが江戸時代に入ると、
商人が挨拶の品を持って、
得意先に新年の挨拶に出掛ける風習が生まれました。
これが現在の「年始回り」に変わっていきました。
古来、元日は家に籠って歳神様(年神様)を待つ日で、
外出はしないものであったため、
「お年始」は2日以降の「松の内」(普通は7日頃まで)に
済ませるのが一般的です。
挨拶することが目的ですから、長居はしません。
一般的には、昼食が終わった頃から夕食支度前の時間帯が、
常識的であり良いとされています。
また、お年始に行く際は、必ず前もって先方に連絡をして、
訪問しても良い時間を聞いておきましょう。
お正月は、来客や出掛けることも多いため、
都合を聞いておかないと、先方に迷惑を掛けることになります。
「年始」の挨拶回りには、
歳神様へのお供え物(御歳魂、おとしだま)を持参するのも習わしで、
これが後に「お年賀」や「お年玉」になったと言われています。
「お年賀」には、縁起担ぎの品や十二支に因んだものなど、
お正月らしいものを用意します。
表書きは「御年賀」とし、
松の内を過ぎた場合は「寒中見舞い」とします。
現在では、お年賀は「日頃、お世話になっている方への感謝」と
「今後のお付き合いへの願い」を込めて贈るものです。
そのため、お年賀を贈る相手は実家の両親を始め、
お世話になっている親戚や勤め先の上司などが考えられます。
また、結婚された方は仲人にも忘れずに贈りましょう。