うまずたゆまず

コツコツと

1月10日頃「市神祭」(いちがみさい)

 
 

市神祭(いちがみまつり)

市神祭とは
正月10日頃、市の守り神として、
各地の市場の一隅に祀られている
市神の祭礼が行われます。
 
1月10日頃に市神を祭るのは、
「初市」に市神を祭ったことによるものと
考えられています。
「初市」(はついち)
年末年始の間、休んでいたせり市が、
新年最初に開かれることを言います。
青果物・水産物・花卉の他、
株式などの初相場なども含まれます。
買い手が景気づけの御祝儀相場で
終わることが多いです。
 
市神とは
市神は、市 (いち) の立つ場所に祀られ、
その場所を守護するとともに、
市取引の平穏を守護し、
その場に集う人々に幸をもたらすと
信じられている神様です。
 
元々祭神が定まっていたとは思われず、
市によって異なり、
村境や町場の市組の境などに立てられた
小さな祠や、市神を彫った石柱もありますが、
御神体は円形または自然石がほとんどでした。
 
その後、街道の岐路に立つ
「道祖神」の性格が混じり、
道の安全や旅人の安全も守るとされました。
 
市神の始まり
京都御苑内に鎮座する
宗像神社(むなかたじんじゃ) は、
延暦14(795)年に、
北家藤原氏の祖・藤原冬嗣が
桓武天皇の許しを得て、
「平安京」の東西両市の守護神として
福岡県の「宗像大社」を勧請して
創祀したのが始めです。

munakata-taisha.or.jp

 
主祭神は宗像三女神である
多紀理比売命(たぎりひめのみこと)
多岐都比売命(たぎつひめのみこと)
市岐島比売命(いちきしまひめのみこと)
総称して「宗像大神」(むなかたのおおかみ)
言います。

munakata-jinja.com

 
各地の市神の例
 
各地の市神(市姫)としては、
「市」に因んで
市杵島姫 (いちきしまひめ) とする所が多いです。
 
 
次いで、大市姫 (おおいちひめ)、大国主命、
事代主命(夷神)などを祀る例が目立ち、
恵比須(蛭子神)、大黒を祀る例もあります。
彦火火出見命 (ひこほほでみのみこと) などを祀る
地方もあります。
大市姫 (おおいちひめ)は、
日本神話に登場する女神で、
山の神・大山津見神の娘であることから
山の恵みと結びつき、五穀豊穣・食料供給、
そして生産と流通を司る神として、
農耕神・地母神・市場の神として崇敬されます。
名前は 「神々しい、立派な市(市場)」を意味し、
物々交換の場である「市」の守護神として
信仰されました。

また農業・食料の神である「大年神」と
「稲荷神 (宇迦之御魂神)」の母神でもあり、
神大市比売命 (おおとしみおやのかみ) として
祀られることもあります。
彦火火出見命 (ひこほほでみのみこと) は、
「海幸・山幸」の神話で有名な
「山幸彦」(やまさちひこ) としても知られる、
瓊瓊杵尊 (ににぎのみこと) と木花咲耶姫命の子で
神武天皇の祖父に当たる、
日本神話に登場する重要な神です。
縁結び、五穀豊穣、商売繁盛などの神として
信仰されています。

linderabella.hatenadiary.com

 
 
中世には、「新市」開設する際には、
どこかの市から「市神」を
勧請してくるのが常で、
修験者(山伏がこれに関与し
「市場之祭文」(いちばのさいもん)
唱えました。
 
市神信仰は、今日でも、
東北・北陸・信州・九州南部に
比較的よく残存しています。
 

全国の「市神祭」

山形市初市
一月十日、山形市十日町の市神様の祭で、
最上義光公(1546-1614)治世の
江戸時代初期から続く伝統行事です。
 
 
目抜き通りの十日町・本町・七日町までの
沿道には、露店、キッチンカーが立ち並び、
木工品の梯子・脚立・臼・杵・まな板始め、
農水産物・生活用品などが売られる他、
縁起物の水木に飾る「繭玉」や「餅玉」、
福をもたらす「初飴」、
長寿を表す「白髭」などの野菜、
商業の株を象徴しての「蕪」を
買う習慣があります。
 
 

www.city.yamagata-yamagata.lg.jp

 
会津の十日市
 
400年以上も前から続く、
会津地域最大の市神祭です。
 
 
通りの南北に、
春日大明神と住吉大明神が市神として祀られ、
その外側には、「起上り小法師」
「風車」「市飴」などの縁起物や、
日用雑貨、漆器、飲食物といった
様々な商品が並んでおり、
毎年15 万人以上が訪れる
新年の風物詩となっています。
 
 
松本あめ市


長野県松本市では、400年以上の歴史がある
新春の伝統行事「松本あめ市」が開催されます。
 
江戸時代前期から
1月11日に市始めの行事があり、
その際に市の神様を祭っていた
「宮村天神(現在の深志神社)」の
神主が塩を売るようになり、
それが「塩市」と呼ばれ、
今日の「あめ市」の起源と言われています。

www.linderabell.com