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5月20日「東京港開港記念日」~東京港の歴史~

 
昭和16(1941)年5月20日、
「東京港」が国際貿易港として
開港の指定を受けました。
これを記念して東京都が
「東京港開港記念日」を制定しました。
この開港記念日を祝して、
東京みなと祭」が開催されます。 
 
 

東京みなと祭

「東京港開港記念日」を祝して行われる
イベントです。
 
東京港の歴史や役割、
臨海副都心の魅力を伝えるイベントとして、
参加型、体験型のコンテンツが行われます。
他にも珍しい船の一般公開、ワークショップ、
東京港周遊クルーズなどが開催される予定です。
 
令和7(2025)年度の「第76回 東京みなと祭」は
5月31日[土]・6月1日[日] に開催されます。
 
<開催日時>
・令和7年5月31日[土]・6月1日[日]
・10:00~17:00まで(入場無料)
<開催場所>
東京国際クルーズターミナル
 (東京都江東区青海二丁目地先)

www.minato76.com

 

「東京港」の歴史について

初期の東京港
「江戸湊」(えどみなと)
東京港の前身は「江戸湊」(えどみなと) と呼ばれ、
海上交通の要所でした。
現在の中央区湊や明石町の隅田川沖に
当ります。
 
そもそも江戸とは、「江」の「戸」、
すなわち「川口」という意味であり、
平川が日比谷湾に注ぐ川口の名称でした。
そして入り江に河川が流れ込むこの地一帯には
家康が江戸に入府する以前からも、
いくつかの「湊」(みなと) がありました。
「湊」とは、海辺、水路に船が集まり、
人と物が集まる場所のことです。
 
家康と江戸湊
 
天正18(1590)年8月1日、
家康は正式に江戸城に入ると、
江戸の都市建設を進めるために、
天下普請が行います。
徳川家ではこの入府を
「江戸御打ち入り」と言って、
8月1日を「八朔」(はっさく) と称して、
江戸幕府にとっては
「五節句」に匹敵する祝日としていました。
 
 
 
江戸城の目下まで迫っていた
「日比谷入江」を埋め立て、
現在の日本橋から銀座まで伸びていた
半島「江戸前島」を横断する形で
舟運を発達させるため運河「道三堀」を掘り、
いわゆる埠頭「舟入堀」を築きました。
 
 
「江戸湊」は遠浅の海であるため、
大きい船が陸まで近づくことは難しいので
「舟入堀」を造ることで
江戸城築城などに利用される資材輸送を
容易にするばかりでなく、
「舟入堀」開削で出た土砂を利用して
近くの中洲の埋め立てを行うと同時に、
埋め残して運河を開発しました。
こうして江戸には運河が張り巡らされ、
日本橋の魚河岸を始め、
運河沿いには多くの河岸や荷上場が出来、
江戸発展を支える物資が各地から運び込まれ、
江戸湊もどんどん発展していきました。
 
国際貿易港「横浜港」
 
江戸の発展を支えた「江戸湊」ですが、
国際貿易港として開港したのは
「横浜港」でした(安政6(1859)年6月2日)。
 
 
水深の浅さのため、大型の船舶が
通行出来ないことがその大きな理由でした。
更に鉄道網の整備から、
「江戸湊」の繁栄は失われていきました。
 
関東大震災を契機に
「東京港」開港を目指す
 
大正12(1923)年9月1日に発生した
「関東大震災」により、
港湾整備の重要性が再認識されました。
埠頭の開発が急遽実施され、
大正14(1925)年に「日の出埠頭」「芝浦埠頭」
「竹芝埠頭」の3埠頭が相次いで完成しました。
 
昭和6(1931)年「満州事変」以降、
China大陸への物流が盛んになり、
東京港の貨物取扱量が増加したことから、
次第に国際貿易港として
東京港の開港を求める声が高まり、
昭和16(1941)年5月20日、
遂に念願の「東京港」開港が実現しました。
しかし間もなく日本は第二次世界大戦に突入、
東京港本来の港湾機能は、
戦後の連合軍による接収期間も含め、
ほとんど停止状態になりました。
 
本格的な国際貿易港への飛躍
 
戦後、国内産業の復興とともに
港湾施設の整備が急務となりましたが、
「東京港」のほぼ全域が
「GHQ」に接収されていたため、
昭和23(1948)年に埋立て工事を開始、
昭和25(1950)年に「豊洲石炭埠頭」、
昭和30(1955)年に「晴海埠頭」が開業しました。
 
 
昭和40年代の輸送革新に一早く対応し、
コンテナ埠頭、フェリー埠頭、
物資別専門埠頭などを機能的に整備し、
港湾の利便性を高めたことで
「東京港」は国際貿易港として
大きく飛躍することになりました。
 
現在の東京港
現在、「東京港」は、
世界の主要港とコンテナ定期航路の
ネットワークによって結ばれ、
日本の産業社会を支える
日本の主要な国際貿易港(日本五大港)の
一つとして重要な国際物流拠点となっています。
 
なお「日本五大港」とは、
国土交通省が日本の主要5港としている、
東京港、横浜港、名古屋港、大阪港、神戸港の
ことです。