7月21日は「神前結婚式」の日です。
神前結婚式の歴史は、
明治33(1910)年に当時皇太子であった
大正天皇の御結婚の礼が、
皇居内の賢所の御神前で行われたことに
始まります。
神前結婚式の日
7月21日は「神前結婚式の日」です。
日本の神様の前で結婚の誓いを立てる
「神前結婚式」の歴史は、
明治33(1910)年5月10日に「皇室御婚令」により
当時皇太子であった大正天皇の御結婚の礼が、
初めて皇居内の賢所の御神前で行われたことに
始まります。
このことにより、国民の間に
神前での結婚式をしたいという気運が高まり、
翌明治34(1901)年7月21日には、
この御婚儀に基づき定められた次第による
一般の人に向けた「神前結婚式」が
日比谷大神宮(現在の東京大神宮)で
初めて行われました。
神前結婚式創始の伝統と誇りを受け継ぐ
「東京大神宮」の宮司・松山文彦氏は、
日本の神様の前で結婚の誓いを立てる
「神前結婚式」が
日本古来の伝統文化を継承したものであり、
未来に伝えていく大切な様式として
多くの人に理解してもらうことを目的に
この7月21日を記念日としました。
伝統的な婚儀の形
「結婚」は人生に於ける慶事で
古くより「冠婚葬祭」の1つとして、
男女が新家庭を作り新生活への第一歩を
踏み出す極めて意義深い儀礼です。
日本では昔から「神前結婚式」が
行われていたと思われがちですが、
そもそも日本には、結婚を神に証明して
もらうという発想はなかったので、
結婚式というものはありませんでした。
ただ神への信仰を伺うことが出来ます。
結婚に際し行われるのは
今で言う「披露宴」で、
両家の親族が顔を合わせ、
友人や知人も加わって、祝宴を催しました。
これらの祝宴は家庭で執り行なわれ、
床の間には、夫婦の祖神(おやがみ)である
伊邪那岐命・伊邪那美命の掛け軸や
自ら信仰する御神名、
また縁起物の絵画の掛軸などを飾り、
その前に御饌御酒(みけみき)をお供えして祀り、
この御神酒を「三三九度」により
新郎新婦が戴くことで、
夫婦の固めをなすという趣旨のものでした。
神前結婚式のはじまり
明治33(1900)年5月10日、
当時の皇太子・嘉仁親王殿下(大正天皇)と
九条節子姫(貞明皇后)の御結婚の儀が
宮中の歴史が始まって以来初めて
皇居内の賢所(かしこどころ)の御神前で
執り行われました。
これが日本初の「神前結婚式」で、
この作法を一般人向けに改めたものが、
現在も神社や結婚式場で行われています。
この挙式が世間の注目を集めたことは
言うまでもありません。
日比谷大神宮(東京大神宮)では
翌明治34(1901)年3月3日に、
実践女学校の下田歌子校長の協力を得て、
およそ20名の女学生により、
皇太子の婚礼に倣った
「神前模擬結婚式」を開催しました。
当日は大変な盛会となり、
新聞にもこの様子が大きく掲載されました。
結婚式は家庭で行うのが通例だったので、
御神前で、厳粛かつ神聖な儀式を行うことは、
画期的な出来事として
人々の関心を集めたのでした。
当日の参観した高木兼寛男爵も
この模擬結婚式に深い感銘を受け、
明治34(1901)年7月21日に、
自ら媒酌人となって
日比谷大神宮のご神殿にて
結婚式を執り行ないました。
これが正式な
「神前結婚式」の最初とされています。
大正元(1911)年に発表された
夏目漱石の小説『行人』にも、
日比谷大神宮(東京大神宮)での
結婚式の様子が克明に描かれています。
日比谷大神宮(東京大神宮)では、
その後、更に改善した上で
「神前結婚式」を一般に広めました。
近年、「東京大神宮」が
縁結びの神徳で人気を集めるのも、
こうした由緒によるものです。