
昭和天皇の御崩御
昭和64(1989)年1月7日午前6時33分、
第124代・昭和天皇が、皇居吹上御所において
87歳をもって御崩御されました。
死因は「十二指腸乳頭周囲腫瘍(腺癌)」であったそうです。
昭和64(1989)年2月24日、新宿御苑において
昭和天皇の「大喪の礼」が行われ、
その後、武蔵野陵に埋葬されました。
午前7時55分、当時の藤森宮内庁長官と
小渕内閣官房長官がそれぞれ会見を行い
「天皇陛下におかせられましては、
本日午前6時33分、
吹上御所において崩御あらせられました」
と昭和天皇が崩御したことが公表されました。
「平成」改元
昭和天皇御崩御後の
午前10時1分より皇居正殿松の間で
「剣璽等承継の儀」(けんじとうしょうけいのぎ) が
執り行われ、
当時の皇太子殿下(現:上皇陛下)が
第125代天皇に御即位(践祚)されました。
この皇位の継承を受け、
昭和54(1979)年に制定された「元号法」に基づき
「元号を改める政令
(昭和六十四年政令第一号)」により、
14時10分から開かれた「臨時閣議」において
新元号を正式に「平成」と定められ、
元号を改める政令が公布されました。
この日をもって、
日本の元号の中で最も長く続いた
「昭和」は幕を閉じました。
そして翌1月8日午前0時から
新しい元号「平成」がスタートしたのです。
この新しい元号「平成」が始まった日は、
「平成改元の日」とか「平成スタートの日」、「平成はじまりの日」などと呼ばれています。
新元号「平成」の発表
14時36分、小渕恵三内閣官房長官(当時)が
新元号を正式に「平成」と発表しました。
只今終了致しました閣議で
元号を改める政令が決定され、
第1回臨時閣議後に申しました通り、
本日中に公布される予定であります。
新しい元号は、『平成』であります。
— 内閣官房長官 小渕恵三
そして、内閣府の職員で書家の
河東純一が揮毫した
新元号「平成」の額を掲げました。
なお発表後の奉書紙の扱いについては
取り決めがなされていなかったため、
実際に掲げられた正本は当時の竹下首相に、
予備の副本が小渕官房長官に
それぞれ贈呈されて私有物扱いとなり、
公式には行方不明となっていたそうです。
その後、国立公文書館が
平成21年度秋の特別展
開催のために、竹下家と連絡を取って
奉書紙を平成21(2009)年9月に借り受け、
特別展が終わり返却しようとしたところ、
竹下家から保存の意向を受けて、
翌平成22(2010)年3月に
正式に寄贈されることとなったそうです。
このため、「令和」の奉書紙は、
発表当初から公文書として扱うことが
決定されたそうです。
「平成」に込められた意味
また小渕内閣官房長官(当時)は、
新元号の発表時に「平成」の典拠について
次のように述べています。
「平成」の出典は、
『史記』「五帝本紀」の
「内平外成(内平かに外成る)」と、
『書経』「大禹謨」(だいうぼ) の
「地平天成(地平かに天成る)」という
この二つの言葉から
「平」と「成」の2文字が選定され、
「国の内外、天地ともに平和が達成される」
という意味が込められています。
首相談話では、平成を
「国の内外にも天地にも平和が達成されると
いう意味が込められており、
これからの新しい時代の元号とするに
最もふさわしい」と説明した上で
「新しい元号も、広く国民に受け入れられ、
日本人の生活の中に深く根ざしていくこと
を心から願っている」と締め括っています。
「元号法」成立
かつて日本では「元号」は
頻繁に変わっていました。
明治元(1868)年、明治天皇が発した
「改元ノ詔」(一世一元の詔)で
天皇の在位中に「元号」を変えないことが
制定されました。
「大正」や「昭和」への改元は、
当時の皇室の規程であった「旧皇室典範」と
「登極令」(とうきょくれい) に則り行われ、
元号を決めるのは皇室の役割でした。
ところが、昭和22(1947)年に
GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の下で、
現行の「皇室典範」が制定された際、
元号関連規定が削除されてしまったため、
「元号」の法的根拠が曖昧になってしまい
ました。
しかし官民問わず
「元号」は広く使用され続けます。
やがて、昭和天皇の高齢化などが
きっかけとなって、
「元号」論議が活発になりました。
昭和54(1979)年に国会で「元号法」が成立。
この法律により、「元号」は
内閣によって定められるものとされました。
元号法(昭和54年法律第43号)
1 元号は、政令で定める。
2 元号は、皇位の継承があつた場合に限り
改める。
附則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 昭和の元号は、本則第一項の規定に基づき
定められたものとする。
元号を改める政令(昭和64年政令第1号)
内閣は、元号法(昭和54年法律第43号)
第一項の規定に基づき、この政令を制定する。
元号を平成に改める。
附則
この政令は、公布の日の翌日から施行する。
併せて、同年の10月23日に
「元号選定手続について」が
「閣議報告」として公表されました。
これによると、
内閣総理大臣が選出した有識者が
元号案を提出することや、
全閣僚会議で協議し選定することなど、
元号選定の手続きが定められました。
この法律に基づいて
「平成」や「令和」への改元が行われました。
