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日本一長~いお祭り「だらだら(太良太良)祭り」

 
「だらだら祭り」とは、
“関東のお伊勢さま”として親しまれている、
東京都港区芝大門に鎮座する
芝大神宮(しばだいじんぐう)で、
毎年9月11日から21日と11日間にも及ぶ
日本一長~いお祭りとです。
 
芝大神宮(しばだいじんぐう)は、
平安時代の寛弘2(1005)年に創建された、
都内に現存する最も古い神社の一つです。
伊勢神宮の御祭神である、
天照大御神 (内宮) と豊受大神 (外宮) の
二柱を主祭神としてお祀りし、
江戸時代には徳川幕府の崇敬も篤く、
「関東のお伊勢さま」として庶民にも親しまれ、
多くの人々で賑わいました。
鳶頭と角力取りの争いを描いた
歌舞伎の演目『め組の喧嘩』の舞台でも
あります。
 
   
 
慶長年間(1596-1615)、当時の人々の間で
「伊勢参り」が大流行しました。
しかし、当時の江戸っ子達にとって、
伊勢参りは莫大な費用と時間が掛かるもので、
誰にでも出来る事ではありませんでした。
 
 
そこで多くの農民達は秋の収穫の時期に、
”関東のお伊勢様” と称される
芝大神宮」に次々に参拝に訪れ、
芝大神宮」側でも出来るだけ
多くの人々が参拝出来るようにと、
少しずつ 「例祭」 の期間を伸ばしていった結果、
当初、3日程であった開催期間も、
遂には、11日間も続くお祭りになってしまい、
その長さ故に、江戸っ子達からは
「だらだら祭り」というあだ名で
呼ばれるようになったと言われています。
 
 
11日間という長い期間でも、
お祭りの目玉となるのは、
15日に行われる「氏子各町神輿連合渡御」です。
15基の神輿が、14時に大門通りに集結し、
「芝大神宮」に向けて次々にスタートし、
威勢のいい掛け声とともに列をなして
練り歩きます。
 
 
またお祭りでは、
神前に献じられた小絵馬のついた
邪気退散の「御前生姜」が授与され、
境内や参道でも「生姜」が盛んに売られるため、
別名「生姜祭り」と呼ばれています。
小絵馬には、江戸時代の生姜祭の賑わいが
描かれています。
 
御鎮座の際、「芝大神宮」 の付近一帯は生姜畑で
秋祭りには神社周辺で多く作られていた生姜を
まず神前にお供えし、
境内や参道で盛んに売られたことから、
「生姜祭」とも呼ばれます。
 
 
「生姜は穢悪(えお)を去り神明に通ず」と言われ
古来薬用として重用され、
毒消しの効果が知られる生姜は、病災を除き、諸厄を祓い神明と結びつくということから、
長寿を願う縁起物として
大いにもてはやされたようです。
 
 
 
その他にも、江戸時代から続く
良縁成就の縁起物として人気の
芝大神宮」の名物「千木筥」(ちぎばこ)
販売されます。
「千木筥」(ちぎばこ) は、
ヒノキの曲げ物を三段重ねにした中に、
飴や豆などを入っていて、
振るとカラカラと音がして、
その音も見た目も可愛らしく、
心和むものです。
筥には、この辺りに領地があった
旗本・大久保家の家紋である
色鮮やかな藤の花の模様が描かれています。
 
 
名前の由来は、
「餅器を略した言葉である」とか、
「社殿の屋根に置く千木から作ったから」
など諸説あるようです。
 
 
また「千木」が
「千着 (たくさんの着物) 」に通じることから、
「着るものに困らない」「衣裳が増える」
「良縁に恵まれる」と考えられるようになり、
良縁に恵まれることを願って、
女性が箪笥などに納める習慣が広まったと
言われています。
お祭り期間中には、
「千木筥」(ちぎばこ) の実演販売も
行われるということですので、
この機会に手に入れてみてはいかがでしょう。
 

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