うまずたゆまず

コツコツと

果物の「ハッサク」

 
「ハッサク(八朔)」は日本原産のみかんです。
 
 

「ハッサク」の歴史

 
江戸時代末期の万延元(1860)年に、
広島県尾道市の因島にある真言宗のお寺
「密厳浄土寺」で、
当時の住職・恵徳上人により発見されました。
 
現在、因島田熊町にある「密厳浄土寺」には、
はっさく発祥の地の記念碑と
はっさくの原木が祀られています。

innoshima-jodoji.jp

 
「ハッサク」のハッキリとした由来は
分かっていません。
誰かが食べ捨てた果実の種から発芽したと
言われています。
 
戦国時代、村上海賊が、
密厳浄土寺の背後にある青影山にあった
「青陰城」を居城の一つとしていました。
村上海賊は行く先々で柑橘を因島へ持ち帰り
青影山の麓にその種を植えたのだと
考えられています。
柑橘を持ち帰った理由の一つとして、
“ビタミン”が不足すると、壊血病に罹り
命を落とすということを村上海賊達は
既に知っていたためです。
 
当時の因島田熊では、
由来不明の柑橘類をまとめて
「ジャガタ」と呼び、
発見当時はまだ名前が付いていませんでした。
密厳浄土寺のある田熊には、
昔から多くの柑橘が自然実生していました。
田熊が南に面して青影山の斜面地を照らし
日当たりが良いため、
柑橘の成長に適していたのです。
明治期になりその種類が明らかとなり、
60種を超える名もなき雑柑が
自生していたと記録が残されています。
 
「ハッサク」という名前がついたのは、
明治19(1886)年。
当時、恵日山浄土寺の住職であった
小江恵徳(おごう えとく)
「八朔(旧暦の8月1日)には食べられる」と言ったことから名付けられたと言われています
(他にも諸説あるようです)。
 
名前の由来である
「八朔の頃(旧暦8月1日)」では、
まだ果実が成長しきれていないので
食べることは出来ません。
「ハッサク」が実際に出回る時期は、
1月中旬頃から4月下旬までで、
最も美味しく食べられる旬は2月~3月です。
 
 
「ハッサク」という命名した恵徳上人は
「ハッサク」の苗木を世間に売り出すために
試行錯誤をしたようです。
 
当時人々の間で流行っていた柑橘類は
「夏みかん」で、
恵徳上人は、ハッサクと夏みかんの苗木を
一緒にして売ったり、
「この里に生まれ育ち八朔ぞ
 味と香りで永久に幸あれ」という歌を書いて
PR活動を行いました。
 
更に大正から昭和にかけて、
後に「八朔の父」と呼ばれる
田中清兵衛氏によって販路が拓かれ、
「ハッサク」は全国に知られていきました。
 
 
因島から広島に広まり、
その後和歌山県を始め全国に増植され、
戦後には「温州みかん」「甘夏」に次いで
全国で3番目に生産される柑橘となりました。
 
 
ピークは昭和57(1982)年で、
現在の10倍近くも生産されていました、
現在も根強い人気で収穫量もまだまだ多く、
全国で24,484トンが収穫されており、
そのうちの約72%が和歌山県で、
他に広島県、徳島県、愛媛県などが
主な産地となっています(令和3年産)。
 
 
因島の経済や農業を一変させただけでなく、
遠く紀州・和歌山にも影響を及ぼしたことから、
毎年2月1日に因島密厳浄土寺では、
八朔地蔵尊加持力法要」を行っています。

hassaku-archives.com

 

ハッサクの旬

 
ハッサクが最も美味しくなる
旬の時期は2月~4月です。
 

ハッサクの主な産地

ハッサクの生産量1位は和歌山県で、
全体の75%を占めています。
 
第2位は広島県。
八朔は、広島県の尾道市で発見されたため
広島県との関連が強く「広島はっさく」という
地域団体商標を持っています。
 
第3位は「すだち」で有名な徳島県です。
 

美味しい八朔の選び方

色・形
ハッサクは熟すと、黄色がかった色合いになり
皮がツヤツヤとしてくるため、
色と形を見て熟しているかを確認しましょう。
また、表面にしわや傷がないかも
確認して下さい。
 
重さ
ハッサクは重さがあるものほど
果汁が多く味が濃厚なものが多いです。
出来るだけ重たいものを選びましょう。
 
香り
 
香りがよく強いものが美味しく、
香りが強いと味もより濃厚に感じられます。
 

ハッサクの特徴

「ハッサク」は皮は厚く剥きにくい上、
瓤嚢じょうのう(=薄皮)もしっかりとしていて
剥かなくては食べられません。
 
ですが「ハッサク」の少し硬めの果肉は、
プリプリ、サクサクとした歯応えをしています。
果汁は少なめながら、爽快な香りがあり、
サッパリとした食味をしています。
 

 
近年は高糖度の甘い柑橘が
もてはやされる傾向にありますが、
「ハッサク」はそれらとは一線を画し、
甘さは上品で、スッキリした酸味があり、
更に独特の上品なほろ苦さがあり、
それらが調和した味わいが特徴です。
 

 

「ハッサク」の健康美容効果


「ハッサク」の栄養素をご紹介します。
ほとんどの方は
果肉だけを召し上がると思いますが
中袋と皮にもたくさんの栄養分があります。
皮ごと使ったジャムや、ピールなどを作って、
健康対策をしてみてはいかがでしょうか。
 
ナリンギン
「ハッサク」の皮や白いスジなどにある苦味は
ポリフェノールの一種である
「ナリンギン」という成分によるものです。
「ナリンギン」の抗酸化作用により
血管やお肌の老化を防いでくれます。
血流促進や毛細血管の強化などの効果の他に、
食欲を増進させたり血圧を下げる働きも
あります。
 
オーラプテン
「ハッサク」の皮には、
「オ—ラプテン」という成分が含まれています。
「オ—ラプテン」には、発がん抑制作用、
脂質代謝改善作用、認知症予防、
そして近年では血管内皮細胞の
熱ダメージを減少させる作用などが研究され、
暑さ対策商品への活用が進められています。
特に、八朔には豊富に含まれています。
 
クエン酸
「ハッサク」の酸っぱさは、
「クエン酸」の成分によるものです。
食欲増進や疲労回復、免疫力向上に
効果があるので、
夏バテ気味や風邪を引いている時にも
おススメの成分です。
抗酸化作用が高く、血管や肌の老化を防ぐ他、
消炎効果や殺菌効果などもあります
 
アスパラギン酸
「ハッサク」には、「アスパラギン酸」という
成分が含まれています。
アンモニアを体外へと出す利尿作用、
体内に溜まった乳酸をエネルギーに変える
働きもあります。
疲労回復にも良いでしょう。
中枢神経に作用してストレスを緩和したり、
肝機能を保護する作用もあります
 
ビタミンC
「ハッサク」には、
「ビタミンC」が多く含まれています。
肌や髪の毛を形成する
「コラーゲン」を作る働きがあり、
お肌の保湿のために大切な成分です。
またメラニン色素の発生を抑制するので、
美白効果もあります。
その他にも免疫力を向上させる働きがあり、
風邪や口内炎の予防にもなるでしょう