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コツコツと

八朔の祝いの行事食「尾花粥」(おばながゆ)

 

昔、宮中では、疫病除けのために、
「八朔」(旧暦8月1日)の日に
黒焼きにしたススキの穂を粥に混ぜた
「尾花粥」(おばなのおかゆ) を食べる風習が
ありました。
「尾花」(おばな) とはススキの異称です。
 

「粥」はハレの日の食物とされることが多く、
正月の「七草粥」「小豆粥」の他、
八朔には宮中などで「尾花粥」、
12月8日には寺院などでは
「紅糟粥」(うんぞうかゆ) が食べられてきました。
 
 
この風習は、古く諏訪大社の
御射山 (みさやま) の神事に始まると言われ、
室町時代には既にあったようです。
室町時代の官人であった中原康富の日記
『康富記』(やすとみき)
文永5(1448)年8月1日の記事には、
「今日の尾花粥の由来を尋ねたが分からない」とあります。
 
ただ鎌倉時代末から室町時代に及ぶ
僧俗の有職故実の書
『海人藻芥』(あまのもくず) には
「八月朔日ニ小花粥内裏仙洞以下令用給
 良薬ト云々、彼粥調法ハ、薄ヲ黒焼ニシテ
 粥ニ入合わス也」と、
「良薬ト云々」とありますので、
炭の持つデトックス効果を狙ったものだった
のでしょうか。
 
 
そんな宮中の行事食であった「尾花粥」は、
江戸時代に入ると庶民にも広まりました。
民間にも広がる中で、
「尾花の黒焼き」に代わって、
「早稲の黒焼き」や「黒ごま」が
使われるようになり、
現代の「黒胡麻粥」に変化したようです。
 
「セサミン」や「ポリフェノール」の他、
「不飽和脂肪酸」や「ビタミンE」などを
豊富に含む「黒胡麻」は、
血行促進や疲労回復が期待出来ることから、
夏バテや夏の疲れに有効です。
 
強い抗酸化作用により活性酸素を除去し、
体の酸化(サビつき)を防いでもくれます。
 
またビタミンB群が
糖質や脂質のエネルギー代謝を助け、
夏バテで消耗したエネルギーを補給して
くれます。
 
更に「腎」の働きを補う薬膳食材でもあり、
夏の疲れによって弱りがちな「腎」の働きを
助けてくれます。
 
 
胡麻の外皮は硬いので、よくすり潰して
吸収率を良くしてから粥に加えて下さい。
「黒胡麻粥」自体には味付けをしないで、
消化吸収に良い発酵食品である「味噌」を
添えて食べてみて下さい。