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8月27日は「益軒忌」(えきけんき)

 
8月27日は「益軒忌」(えきけんき) です。
 
経学、医学、民俗、歴史、地理、教育など
多くの分野で先駆者的業績を挙げ、
多くの著述を残した儒学者で教育者で、
本草学者の貝原益軒 (かいばら えきけん)
正徳4(1714)年8月27日に、
84年の生涯を閉じました。
 
 

貝原益軒について

貝原益軒(かいばらえきけん、1630-1714)は
江戸時代前期の儒学者・教育者・本草学者です。
 
福岡で生まれる
寛永7(1630)年12月17日、福岡藩の
祐筆役 (ゆうひつやく) の貝原寛斎 (かんさい)
五男として、福岡城内の東邸で生まれました。
 
益軒の生まれた翌年に父親の寛斎は浪人となり
城内から出て、博多の町中の粗末な家に移り、
益軒が5歳の時に妻も失っています。
更に継母となった人も
益軒が12歳の時に亡くなっていますが、
益軒を育ててくれた地行婆 (じぎょうばあ) という
家政婦に、父や兄の人柄もあって、
益軒は極めて温厚な人格となりました。
 
学びの半生
 
益軒は正式に学問を学ぶチャンスには
恵まれなかったようですが、
6歳の頃から教わりもしないで仮名を覚え、
算数にも長けていたそうです。
8歳の頃には『平家物語』
『保元物語』『平治物語』を愛読し、
13歳になると、8歳年長の兄・存斎 (そんさい) から
四書(『大学』『論語』『孟子』『中庸』)や
漢詩を教えられた他、
父には『医学正伝』『医方選要』
『万病回春』などの医学書を読まされ、
薬についての知識も与えられました。
 
 
慶安元(1648)年、
18歳の時に福岡藩に出仕しましたが
第2代藩主の黒田忠之 (ただゆき) の怒りに触れ、
一時浪人となり、江戸や長崎で修行を重ねます。なお浪人時代に、江戸で林羅山に会う機会が
あったようです。
 
 
明暦2(1656)年、26歳の時、
その学力が認められて
3代目藩主の光之 (みつゆき) の命で再出仕し、
藩医となりました。
そして藩命により京都に遊学し、
本草学や陽明学、朱子学などを学び、
木下順庵、山崎闇斎、松永尺五ら
多彩な学者文人と交友を深めました。
 
 
寛文4(1664)年、34歳の時に帰藩すると、
藩士としての正式の待遇を与えられ、
儒者として藩主や重臣に儒学を講じることに
なります。
寛文11(1671)年、『黒田家譜』の編纂の命を受け
7年をかけて12巻として完成させ献上しました。
 
結婚
 
益軒は39歳の時、当時17歳の東軒夫人と結婚。
22歳の年の差でしたが仲睦まじく、
東軒夫人にも色々教えるなど教育熱心でした。
共に病弱から健康長寿を果たし、
晩年まで何度も夫婦で仲良く諸国を見聞し、
書画を楽しみ、穏やかな日々を過ごしたよう
です。
 
引退後、著述活動に専念
 
69歳で役を退いた後は、
84歳で病没するまで著述活動に励み、
需書の他にも、教育・医学・本草・歴史など
幅広い領域に及ぶ著作を残しました。
また生涯に渡り公私ともに多くの旅をし、
紀行記も書いています。
こうした彼の著作は膨大なもので、
生涯で60部270余巻に達しました。
歴史書『黒田家譜』(くろだかふ)
本草書『大和本草』(やまとほんぞう)
教育書『和俗童子訓』(わぞくどうじくん)
養生指南書『養生訓』(ようじょうくん)
随筆『慎思録』(しんしろく)    など
 
「損軒」から「益軒」へ
 
ところで「益軒」の号があまりに有名ですが、
最初は「損軒」と号して人生の大半を過ごし、
「損から益」に改号したのは晩年の78歳頃と
されています。
 
天寿を全うす
 
そして東軒夫人が62歳で亡くなると、
翌年、益軒も84歳の天寿を全うしました。
 
人生50年と言われた時代、
自ら筆を執り『養生訓』8巻を書き上げた姿は、
生涯をかけて追求した「養生の道」が
正しかったことを雄弁に物語っています。
 
日本のアリストテレス
 
江戸末期に日本を訪れたシーボルトは、
「益軒はギリシャのアリストテレスに
 勝るとも劣らない大学者」と絶賛したと
伝わっています。
 
 

『養生訓』(ようじょうくん)

健康長寿の指南書
晩年に著した『養生訓』(ようじょうくん) は、
健康で長生きするためのエッセンスを
実体験に基づく健康法を解説した
養生(健康、健康法)についての指南書です。
 
江戸のベストセラー
 
身体の養生だけでなく、
精神の養生も説いているところにも特徴がある
生活する上での心得が
庶民も読めるように和文を用いて
全八巻を通して書かれています。
広く人々に愛読され大ベストセラーとなり、
元治元(1864)年までの
約150年間に12回も重版されました。
 
 
今も役立つ教訓
 
『養生訓』には、「むやみに薬に頼らない」
「食事は腹八分目まで」など、
生活習慣病の予防に繋がる見識が豊富で
今日でも役に立つ教訓が残っていることから、
現代語版や関連書籍が今も出版され続けて
います。
医学界にも研究者が多いそうです。
 

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