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8月20日は「蚊の日(世界蚊の日)」

 
 

蚊の日

 
8月20日は「蚊の日」
8月20日は「蚊の日」です。
明治30(1887)年8月20日、
英国の細菌学者であるロナルド・ロスが、
羽斑蚊(ハマダラカ)類の蚊の胃の中から
マラリアの原虫を発見した日に因んだものです。
 
 
世界蚊の日
(ワールドモスキート・デー)
この「蚊の日」は、
「世界蚊の日 (ワールドモスキート・デー) 」とも
呼ばれ、この日は蚊から感染する病気の伝搬を阻止するイベントが世界中で開催されています。
 
ロスは、更に翌年の明治31(1888)年、
鳥を使った吸血感染実験により、
羽斑蚊がマラリアを媒介することを明らかにし、
その功績により、明治35(1902)年に
第2回ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
 
4月25日は「世界マラリアデー」
 
4月25日は「世界マラリアデー」です。
 
現在、蚊は
「世界中で最も人間の命を奪う生き物」とされ、
マラリアなど蚊が媒介する感染症によって
毎年世界中で60~80万人もの人が亡くなって
います
 
ただ蚊自体に殺傷能力があるという訳ではなく、
蚊は様々な病原体を媒介し、感染症によって
人間を死に至らしめているのです。
 
蚊に刺されることによって起こる感染症
「蚊媒介感染症」には、
日本脳炎、ウエストナイル熱、デング熱、
チクングニア熱、ジカ熱・黄熱、マラリアが
あります。
 
2007年5月、WHOでは
「世界マラリアデー」を制定しました。
 

 
蚊は1億7000万年前の化石が見つかっていて、
人間より随分前から生息している生き物です。
現在、蚊は世界におよそ3600種で、
日本には112種類の蚊がいると言われてます。
その中で日本で馴染みのある蚊と言えば、
「アカイエカ」や「チカイエカ」、
「ヒトスジシマカ(ヤブ蚊)」がいます。
 
人を刺すのは
産卵を控えた雌(メス)だけ
「蚊」と聞くと、
「血を吸う虫」というイメージがありますが、
普段のエサは草花の汁や蜜で、
成熟したメスの蚊だけが、
産卵に必要なエネルギーを得るために、
人間や動物などを刺して血を吸います。
 
蚊が感知する
人のシグナルとは
蚊は人が出す炭酸ガスや皮膚のニオイ、温度を
感知して吸血する源を探し求めています。
 
蚊が最初に検出するのは、
人の呼気に含まれるCO2です。
その後、蚊は視覚情報とニオイを頼りに
人に近づき、
最終的には熱と水分を検知して人に降り立ち、
降り立った後は、味覚で人の皮膚の味を
感知します。
 
蚊に刺されると
なぜ痒くなるのか?
蚊は、人の毛細血管に
針のような口を突き刺して血を吸いますが、
この時に唾液を出します。
この唾液には、
刺した時に人に痛みを感じさせない麻酔作用や、
血が空気に触れて固まるのを防ぐ作用など、
色々な成分が含まれています。
これが人の体の中に入ると、
その部分がアレルギー反応を起こして、
痒く感じるのです。
 
蚊の活動が活発になる条件
 
蚊の主な活動時期は7月~9月で、
蚊の活動する条件には気温が関係しており、
夏の朝方や夕方の、気温が25〜30度になる
時間帯が最も活動的です。
一方で30℃を超えると徐々に動きが鈍くなり、
植木の葉裏などの涼しい日陰に身を潜めます。
私達が快適と感じるような場所こそ、
特に注意が必要です。
 
 
蚊の予防対策
 
 
・こまめに汗を拭いて、体温を下げる
・明るめの服を着用し、露出を避ける
・ニオイが出やすい足裏を清潔に保つ
 
 
このような予防策を取って、蚊に悩まされる
ことのない生活を送りましょう。
 
蚊に刺されたら?
 
1. 患部を冷たいタオルや水で冷やす
2. 患部を洗い流す
3. 虫刺されの市販薬やクリームを塗る
 
 
痒くても掻き壊さないことも重要です。
掻くことで患部が傷つき、
跡が残りやすくなる可能性があるからです。
 
 
なお数日経っても、
炎症や痒みが改善されない場合や
症状が悪化している場合は、
医療機関を受診して下さい。
 

蚊除けの歴史

夏の蚊に悩まされるのは、
今も昔も変わりはありません。
弥生時代から続く熾烈な争いとも
言われています。
 
虫送り(虫追い)
 
「虫送り(虫追い)」とは、
夕暮れ時に村人総出で松明や提灯を持ち、
(かね) や太鼓を鳴らしたり、ほら貝を吹いて
「虫追い」と唱えながら田んぼの畦を回り、
村境へ害虫を送り出す、
毎年夏に行われた行事です。
 
蚊帳(かや)
 
「蚊帳」(かや) は、目が細かい網のようなもので
蚊の攻撃から身を守るため、夜、寝る時に
寝床を覆って使います。
 
 
「蚊帳」に似た道具は紀元前からあり、
一説によるとクレオパトラも
似たようなものを使っていたと言われています。
日本には奈良時代にChinaから伝わったとされ、
『日本書紀』には「蚊屋衣縫」(かやのきぬぬい)
という役職が見られます。
江戸時代には萌葱色の「近江蚊帳」が爆発的に広がり、日本の夏の風物詩となりました。
 
 
「蚊帳」は網の四隅にある環に紐を通し、
部屋の四隅に張って使います。
色も初期は白でしたが、現在は萌黄色です。
 
 
江戸時代には紙製でお洒落な絵を描いた
「蚊帳」も登場しました。
冷房の普及であまり見かけなくなった
蚊帳ですが、現在も赤ちゃん用で、
折り畳み式の「母衣蚊帳」(ほろがや) などが、
殺虫剤を使いにくい場面での防虫に
役立っています。
 
 

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蚊帳に雁を描く(かやにかりをえがく)
江戸時代、「蚊帳の中で雁の声を聞くと
災いがある」という迷信がありました。
 
そのため雁の声を蚊帳の外で聞けば
厄除けになるとして、
一種のまじないとして、
雁の絵を描いて蚊帳に貼り付けたり、
吊り手に雁の字を書いたりししました。
 
蚊遣火(かやりび)
 
「蚊遣火」(かやりび) は、
(よもぎ) や榧 (かや) の葉、杉や松の青葉などを
燃やした煙と臭いで蚊を追い払うもので、
平安時代から大正初期までは
ごく一般的な生活用品でした。
 
『徒然草』には
「六月の頃、あやしき家に夕顔の白く見えて、
 蚊遣火ふすぶるもあはれなり。
 (6月の頃、あばら家に白い夕顔が見えて、
  蚊遣りの煙がくすぶるのは情緒がある)」
と記されています。
 
「蚊取り線香」の出現で消えてしまいました。
 
払子(ほっす)
「払子」(ほっす) は、法要の際に僧が所持する
法具で、日本では鎌倉時代に初めて用いられ
ました。
元々はは、インドで蚊などを追い払うための
実用具でした。
 
蚊取り線香
 
夏の風物詩の一つでもある「蚊取り線香」は、
日本で生まれたもので、
今では世界中の人々に愛用されています。
 
 
「蚊取り線香」を発明したのは、
「金鳥」の商標で知られる
大日本除虫菊株式会社の創業者・上山英一郎。
慶應義塾を卒業し、郷里の和歌山県有田市で
みかん農家を営んでいた上山英一郎は、
蜜柑を世界に輸出しようと上山商店を設立。
明治19(1886)年、恩師・福沢諭吉の紹介で、
米国で蜜柑の販売を計画していたH.E.アモア氏に出会い、蜜柑の苗を提供し、そのお礼に
「除虫菊」の種子を譲り受けます。
 
 
除虫菊に含まれる成分に殺虫作用があり、
米国には除虫菊で巨万の富を築いた人が
たくさんいると知ると、
「荒れた土地でも栽培できる除虫菊なら、
 貧しい農家を救うことができるし、
 輸出すれば国も豊かになる」と考え、
除虫菊の普及に奔走します。
 
最初は乾燥させた除虫菊を粉末にして、
ノミ取り粉として販売しました。
その後、除虫菊粉を線香に混ぜる案を思い付き、
明治23(1890)年、除虫菊粉に蜜柑の皮の乾燥粉と
糊粉を混ぜたものを線香のように棒状にした「蚊取り線香」を発明しました。
 
  
 
更に妻・ゆきの「渦巻きにしたら、どうです?」
という一言から明治28(1895)年には
「渦巻き型蚊取り線香」が生まれ、
試行錯誤の末、明治35(1902)年に発売されると、
瞬く間に、販売数を伸ばしました。
 
 
「渦巻き型の蚊取り線香」は、
日本だけでなく、
海を越えて世界中で使われるようになりました。
蚊に刺されることで
マラリアなど命の危険のある感染症に罹る
心配のある国々では、
蚊取り線香は欠かせないものとなっています。