うまずたゆまず

コツコツと

七十二候「鱖魚群」

「さけのうおむらがる」
と読みます。

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鮭が群れをなして
川を遡上する季節となりました。
 
鮭は川の上流で生まれ、
雪解け水と一緒に川を下り、沖に出て、
一生の大半を海で過ごすそうです。
そして数年後、産卵のために群れをなして
再び自分が生まれた川に戻ってきます。
その時期は、秋から冬。
この頃に、迫力のある遡上を見ることが
出来ます。
 
「鱖」はChinaに生息する淡水魚「鱖魚」(けつぎょ)
のことです。
「鱖魚」(けつぎょ)はChinaでは高級魚として
知られるスズキ科の淡水魚ですが、
日本にはいない魚なので、
同じように川を群れて遡上する「鮭」を充てて、
日本では「鱖魚」も「サケ」と読ませています。
 
河川で卵から孵化した鮭の稚魚は、
春、雪解け水とともに海に降り、
8月~11月までオホーツク海に回遊し、
餌を捕食しながら大きく成長します。
11月頃になると南下し、
アラスカ湾へ移動し冬を越します。
その後は、夏はベーリング海、
冬はアラスカ湾を行き来します。
 
そして4〜6年後、成熟魚になった鮭は、
ベーリング海から千島列島沿いに南下し、
9月~12月頃に、それぞれ生まれた
日本の故郷の河川へと帰るのです。
 
ただ現在は、自然に産卵することは
ほとんどありません。
河口付近で捕獲し、人工的に孵化させて、
稚魚にしてから放流させています。
 
更に毎年、大量に放流しているにも関わらず、
日本への回帰率は年々、下がってきており、
鮭は全国的に不漁続き。
日本の鮭の漁獲量はここ20年で、
4分の1以下になっています。

 
鮭が地球上に現れたのは、
今から約三百万年前に遡ります。
現在、鮭は真水でも海水でも
生活することが出来ますが、
昔は川か海かどちらかで生活していました。
 
しかし、氷河時代に入るとは
河川が全て凍りついてしまったため、
海に下り、海で生活していけるように
対応するために変化していきました。
ただ産卵だけは海で出来ないので、
故郷の川に戻ってするようになったようです。
 
 
川に戻った鮭は、雄・雌つがいとなり、
川底に産卵床を作ります。
その中へ雌が産卵、雄が放精して、
受精卵が形成されます。
その後、外敵に取られないように、
また水流に流されないように砂をかけてます。
繁殖という役目を終えた鮭は力尽きて、
自分の身を栄養にして
孵化した稚魚を育てるのです。
 

鮭の別名

一般的に鮭と言えば、
「シロサケ」のことを言います。
 
秋味(あきあじ)
鮭は、秋の味を代表するという意味で
「秋味」(あきあじ)と呼ばれています。
歳時記でも秋の季語です。
産卵前の脂がのっています。
上流に上るほど味が落ちるので、
川に上る前に獲れたものが美味しいと
言われています。
 
鮭児(けいじ)
生まれてから3~4年程の若いシロザケは
「鮭児」(けいじ)と呼ばれ、
幻の鮭と言われ、高値で取引されています。
 
時不知(ときしらず)
通常の鮭漁は、産卵のために生まれた川に戻る
9月から11月頃に定置網で採捕しますが、
春から夏(5月~7月頃)の回遊時期に
流し網により沖合で捕獲される鮭を
「時不知」(ときしらず)と言います。
 
一般的に秋に獲れると言われる鮭が
春に獲れることから、
「時知らず」と言われているのです。
 
鮭は産卵が近づくと脂が抜けてしまいますが、「時不知」は脂肪分をたっぷり蓄えているので、
焼くとふっくら柔らかくとても美味しいです。
 
「鼻曲がり」
魚類の多くは、見た目からオス・メスを
見分けることは出来ません。
しかし、産卵も近くなってくると、
体色がまだら模様になり(ブナ化現象)、
鮭のオスは厳つい顔になって、
鼻が曲がってきます。
そのため「鼻曲がり」と呼ばれるそうです。
 
なお岩手県大槌町の
三陸を代表する伝統的な特産品です。
 
「目近」(めじか)
沿岸まで回帰してきて、
これから産卵の準備に入ろうとしている
シロサケは、鼻の曲がりも少なく、
目と口の間の長さが短いので
「目近」(めじか)と呼ばれます。
 

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