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七十二候「綿柎開」

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「わたのはなしべひらく」
と読みます。
綿を包む「柎」(はなしべ)が開き始める頃という
意味です。
 
 
「柎」とは、
音読みでは「ふ」、
訓読みでは「うてな」「つける」「いかだ」と読み、
ここでは、花の「咢」(がく)の意味です。
 
「咢」(がく)とは花の一番外側で、数個のがく編からできていて、多くは緑色のもののことです。
 
綿は、7月から9月にかけて、
ハイビスカスに似た
クリーム色の美しい花を咲かせ、
時間が経つと少しずつピンク色になり、
翌日には、花全体がピンク色になって
萎んでしまいます。
花が落ちると、子房が膨らんで
緑色の固い実を結び、
「綿柎開」の頃に、
綿の実を包んでいた萼が開き始め、
中からふわふわとした白い綿毛が
出て来ます。
この綿毛が木綿の糸や布になります。
 
 
因みに「綿」は、
「植物」としての呼び名は「わた」
「製品」になると呼び名は「めん」
と呼ばれるようになります。
 
 
綿実油(めんじつゆ)
繊維を採取した後の種子から、
「綿実油」(めんじつゆ)が採られ、
食用油として利用されます。
 

 
そして、搾りかすは
反芻動物の飼料や農作物の肥料として
再利用されています。
 
「綿実油」は、サラダ油、マーガリン、
ショートニングの材料としても優れ、
食品加工に幅広く利用されています。
 

 
また、その滑らかさを活かして、工業分野では
石鹸や化粧品にも使われています。
 

 
「綿実油」は、「サラダ油の王様」と言われ、
特にまろやかな風味とその安定性に優れた
最高級のサラダ油です。
発煙温度や引火温度は高いため、
揚げ物にも適しており、
さっくり黄金色に揚げ上がって、
主張し過ぎず、素材の味を活かしてくれます。
 

 
「老化防止」や「ガン予防」に効果のある
「ビタミンE」を始め、
健康維持に必要な成分も豊富に含んでいます。
 

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