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七十二候「綿柎開」(わたのはなしべひらく)

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「わたのはなしべひらく」
と読みます。
綿を包む「(はなしべ)が開き始める頃
という意味です。
 
 
「柎」(はなしべ)とは、
音読みでは「ふ」、
訓読みでは「うてな」「つける」「いかだ」と読み、
ここでは、花の「(がく)の意味です。
 
「咢」(がく) とは、
花の一番外側で、
数個のがく編から出来ていて、
多くは緑色のもののことです。
 
「綿」は、アオイ科ワタ属の多年草「ワタ」の
種子から採れる繊維のことを指します。
 
およそ130~150㎝の背丈に育ち、
7月頃にハイビスカスに似た
クリーム色の美しい大きな花が咲かせます。
時間が経つと少しずつピンク色になり、
花全体がピンク色になった翌日には、
萎んでしまいます。
 
そして花が落ちると、
子房が膨らんで緑色の固い実を結び、
「綿柎開」(わたのはなしべひらく) の頃に、
綿の実を包んでいた「萼」(がく) が開き始め、
中から木の実を守る役割を持つ、
白いフワフワとした綿毛の
「種子毛」(しゅしもう) が出て来ます。
この「種子毛」が木綿の糸や布になります。
「種子毛」は白い花のように見えることから
「綿花」(めんか) =「コットンボール」と
呼ばれるようになりました。
 
因みに「わた」と「めん」の違いは、
わた」はアオイ科ワタ属に属する植物、
またはその種子を包む繊維のことで、
この繊維を紡いで作られた糸や綿織物のことを
めん」または「cotton」と言います。
元々は、蚕の繭から採る繊維で、
絹の原材料となる「真綿」(まわた) と区別して
「木綿」(もめん) と呼ばれていましたが、
次第に「綿」(めん) と言われるようになりました。
 
 
 

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