「べにばなさかう」
と読みます。
紅花が盛んに咲く頃を表した候ですが、
実際に紅花が咲き始めるのは、
もう少し後の6月末頃からになります。
「紅花」の原産はエジプトと言われ、
日本にはシルクロードを通って
飛鳥時代(4~5世紀頃)に伝わりました。
奈良県斑鳩町にある6世紀後半に作られた
「藤ノ木古墳」(ふじのきこふん)の棺からは、
真っ赤な布に包まれた遺体と紅花の花粉が
見つかっており、染料以外にも用いられた
形跡があったことが知られています。
その後近畿地方を中心に、全国に広まって
いきました。
特に江戸時代においては、
土も肥えて水はけもよい最上川流域の
山形県最上地方は紅花の一大産地となり、
京都や大阪で大変重宝されました。
なお、この地で作られる
「最上紅花」(もがみべにばな)は、
徳島県で生産される「阿波の藍玉」と並んで
「江戸時代の二大染料」として
知られるようになりました。
- 最上川地方 -
山形市、米沢市、酒田市、天童市、
山辺町、中山町、河北町、白鷹町
山辺町、中山町、河北町、白鷹町
松尾芭蕉も『奥の細道』の「尾花沢」の中で
紅花を句題に発句しています。
まゆはきを 俤 にして 紅粉の花
芭蕉
辺り一面に咲き誇るベニバナを見ると、
※ 眉掃き を(使う女性の姿)が浮かび
上がってくるよ
- 眉掃き(まゆはき)-
白粉をつけた後で眉を払うのに使った
小さな刷毛のこと
昭和57(1982)年には、山形県の県花に認定。
山形県民に広く親しまれています。
平成31(2019)年2月には、
「日本農業遺産」に認定されています。
令和2年7月22日、山形県紅花振興協議会は
「世界農業遺産」への認定申請に係る承認について申請しました。