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「七夕飾り」、いつから星に願いを?飾る期間は?捨てていい?

 
 
7月7日の「七夕」に、
様々な願い事を書いた短冊を結んだ
竹や笹が飾られる風景は、
夏の風物詩となっています。
 
 

「七夕飾り」の起源

乞巧奠(きこうでん)
笹飾りに短冊を吊るして願い事をする風習は、
古代Chinaの「乞巧奠」(きこうでん) と呼ばれる
儀式が由来とされています。
 
 
「乞巧奠」(きこうでん) とは、
機織りの名手である織女にあやかり、
女性が手芸の上達を願って、
美しい糸や金銀の針などを供える祭事でした。
それが徐々に手芸や詩といった
芸術全般の上達を願う意味が含まれるように
なりました。
 
 
乞巧奠が日本へ
 
それが奈良時代(710-784)頃に日本に伝わり、
当初は宮廷行事として行われました。
それが、時代とともに広く一般にも広まり、
室町時代には、木に和歌を結んで、
硯や墨、筆などを季節の物と一緒に供えて
技芸の上達を願うようになりました。

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江戸時代に星祭

 
江戸時代になり
「七夕」の行事が五節句の一つとなると、
「七夕」は庶民の間にも広まり、
全国的に行われるようになりました。
 
そうなると、人々は野菜や果物を供えて、
五つの色の短冊に色々な願い事を書いて
笹竹に吊るし、星に祈るお祭りに変わって
いきました。
 
 
これは江戸時代の寺子屋教育の影響によって、
庶民も寺子屋で学ぶようになったり、
手習いをするようになった人も増えたからで、
織女星と牽牛星の星が1年で最も近づく
7月7日にはこれを祀って、
女の子は手芸の上達を願い、
男の子は手習いの上達を
星に願うようになったのです。
 
 
里芋の葉は、神から授かった天の水を受ける
傘の役目をしていたと考えられているため、
里芋の葉に溜まった夜露を集めて墨をすり、
その墨で文字を綴って
手習い事の上達を願いました。
 
 
江戸後期の風俗誌『守貞漫稿』には、
「今世大坂にては手跡を習ふ児童のみ
 五色の短冊色紙等に詩歌を書き、
 青笹に数々附之、
 寺屋と号る筆道師家に持集り、
 七夕二星の掛物をかけ、
 太鼓など打ちて終日遊ぶこと也。
 江戸にては児ある家もなき屋も
 貧富大小の差別なく、
 毎戸必ず青竹に短冊色紙を付て
 高く屋上に建ること、
 大坂の四月八日の花の如し」と記載され、
7月6日には江戸の町に数えきれないほどの
五色の短冊を下げた笹竹が立ち並び、
まるで町が竹林のようになったそうです。
 

「七夕飾り」は
なぜ笹に飾るのか?

 
七夕は「笹の節供」とも言います。
笹竹は天の神様の依り代と考えられているので
願いを込めた短冊などを笹竹に吊るし、
天高く掲げるようになりました。
 
ところで、なぜ「七夕飾り」は
笹に飾るのでしょうか?
 
笹には冬場でも青々としていること、
生命力が高く、
天に向かって真っ直ぐに伸びること、
また虫などを除ける効果や
抗菌効果があるため邪気を払う植物として
昔から大事にされてきました。
そのため笹は、願い事を空の織姫、彦星に
届けてくれると考えられていたようです。
 

「七夕飾り」を飾る期間

七夕飾りは、前日に飾り当日に片付ける
「一夜飾り」が古来の習わしです。
七夕が7月7日がなら6日に飾り付けをし、
どんなにキレイな飾りでも
長く飾って楽しむことはせずに、
七夕が済んだら、
その日のうちに片付けてしまいます。
その昔は、役目を終えた七夕飾りを
川や海に流すことで、
飾りに移った穢れを浄化させる
みそぎ」をしていました。
 
しかし今は、七夕は「みそぎ」ではなく、
夏の楽しいイベントの一つとして
認知されています。
 
本来の方法を知ることは大切ですが、
必ずしも「一夜飾り」に
固執する必要はないのかもしれません。
早目に飾りを作ったり、短冊を書いたりして、
ゆっくりと当日に備えることも多いです。
 

「七夕飾りの」処分の方法

七夕飾りを楽しんだ後は、
片付けが待っています。
「せっかく作ったのにもったいない」と
感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、
そもそも七夕には
みそぎ」の意味がありますので、
1度飾った七夕飾りを来年も使うのは
おススメ出来ません。
 
子供のお願い事を書いた「短冊」は
保管しておくとか、
あるいは写真に撮っておいては
いかがでしょうか?
年齢が上がるにつれて
子供の願いの内容も変化するため、
成長記録にもなります。
そして、写真などに収めたら、
全て処分してしまいましょう。 
 
昔は、笹飾りを川や海に流していましたが、
現在は、住んでいる自治体の規定に沿って、
「ゴミ」として処分するのが主流です。
地域で七夕祭りを行っているならば、
そこに持ち込むと処分してもらえる所もある
ようです。(確認してみて下さい)
「ゴミ」として処分する場合は、
少し配慮して、飾りを白い紙に包むなど
した方が良さそうです。
「白」にはお清めの意味があるので、
この方法だと気持ちよく手放せます。
 
ただ、願い事が詰まった七夕飾りを
ゴミとして処分することには・・・と
感じる方もいらっしゃるでしょう。
神社によっては、お札やお守りと同じように
「お焚き上げ」をしてくれる所もありますし、
中には、郵送で受け付けている神社も
あるようですので、そういった方法を利用してみるのもいいかもしれません。
 
短冊など願いが込められたものは、
燃やすことで天に願いが届けられるとも
言われています。
 
「お焚き上げ」
魂や念が入っているものなどを
火で燃やし浄めること