うまずたゆまず

コツコツと

七十二候「腐草為螢」

「くされたるくさ ほたるとなる」と読みます。
 
梅雨を迎え、水辺の湿った草陰から、
蛍が幻想的な光を放ちながら飛び始める頃となりました。
 

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「腐草為螢」とは、「腐った草が蒸れ蛍になる」という意味です。
 
「蛍」には「朽草」(くちくさ)という別名があります。
昔の人は、土の中でサナギになり、羽化し、
暑さで蒸れて朽ちた草(=腐草(くちくさ))の間から出てくる姿を見て、
昔の人は「朽ちた草が蛍になる」と表現したのです。
 
 
水辺や野の暗がりに浮かんでは消える「蛍」の光は、
まさに夏の風物詩。
夏の夜を幻想的に照らし出してくれます。
 
「蛍」の光には、「1/fの揺らぎ」と呼ばれる
ヒーリング(癒し)効果があると言われています。
 
自然界には多くの「揺らぎ」が溢れています。
心臓の音、ロウソクの炎の揺れ、波の感覚、雨音・・・。
いずれも一定のようでいて、実は予測出来ない不規則な揺らぎがあり、
それが「1/fの揺らぎ」です。
 
"1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)とは、パワー(スペクトル密度)が周波数 f に反比例するゆらぎのこと。ただし f は 0 より大きい、有限な範囲をとるものとする。
・・・[中略]・・・自然現象においても見ることができ、具体例としては人の心拍の間隔、ろうそくの炎の揺れ方、電車の揺れ、小川のせせらぐ音、目の動き方、木漏れ日、蛍の光り方などがある。
・・・[中略]・・・人間の生体は五感を通して外界から1/fゆらぎを感知すると、生体リズムと共鳴し、自律神経が整えられ、 精神が安定し、 活力が湧くと考えられている。
 
 
蛍の鑑賞は「蛍狩り」と言って、
かなり古くから行われている馴染み深い行事です。
 
「蛍」という言葉は
古くは『日本書紀』に記載されているのが分かっています。
また、『万葉集』には「蛍」が登場する和歌があります。
『源氏物語』には蛍を鑑賞する様子が描かれたシーンがあり、
どうやらこの頃から蛍の鑑賞が楽しまれたようです。
 
「蛍狩り」という言葉が登場したのは、江戸時代初期。
江戸中期になると、
「蛍狩り」を季語とした俳句が多く詠まれるようになっていきます。
今でいう観光ガイドのようなものにより、
「蛍狩り」の名所が紹介されるようにもなりました。
江戸時代には、かなりメジャーなイベントとなっていたようです。
 
 
ストレス社会の現代人は、積極的に自然の癒しを取り入れたいものです。
「蛍狩り」が出来るのは、5月下旬から7月中旬頃となります。
特に6月に「蛍狩り」関連のイベントが多くく催されているようです。
お出かけになってみてはいかがでしょうか。
 
<蛍狩りのマナー>
  1. 光は厳禁、スマホ・カメラなど音が出るものを使わない
  2. 生息エリアを汚さない
  3. 電子蚊取り線香や香りの強いものを持ち込まない
  4. 触らない、捕まえない
  5. ヒールの高い靴をさけ、歩きやすい靴を履く
  

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