黄泉の国から逃走した伊邪那岐命が黄泉比良坂で投げつけた桃の実のこと。
邪気を祓う呪力を秘めた桃の実
伊邪那岐命が、亡くなった伊邪那美命の変わり果てた姿を見て、
畏れ逃げ帰ります。
「黄泉醜女」(よもつしこめ)らの追手に追いかけられながらも
やっとのごとく「黄泉比良坂」の坂下まで辿り着きました。
そこに「3個の桃」が実ってるのを見つけた伊邪那岐命は、
それらの桃をもいで追っ手らに投げつけると、遂に全員逃げ去りました。
一息ついた伊邪那岐命は、「私を助けてくれたように、
葦原中国の「うつしき青人草」(人民)が苦境に立たされたり、病を患った時、
同じように助けてあげなさい。」と言って、
「意富加牟豆美命」(おおかむづみのみこと)=「偉大な心霊」という名を授けました。
桃は、古代Chinaでは古来、邪気を祓う呪力を持つ仙木とされ、
日本でも同様に、霊力のある神聖な木とされていたようです。
奈良県の「纏向遺跡」(まきむくいせき)の建物跡から出土した
大量の桃の種は、
呪術祭祀に用いられたものではないかと指摘されています。
別名
- 意富迦牟都美
神格
- 退魔の神
- 邪気払いの神
ご利益(神徳)
- 災難除け
- 厄除け、厄払い
- 病気平癒
- 延命長寿
お祀りする神社
- 多伎藝神社 (島根県出雲市)
- 賀茂神社 (徳島県阿波市)
- 桃島神社 (兵庫県豊岡市)
- 赤國神社 (京都府綾部市)
- 桃太郎神社 (愛知県犬山市)
- 新治神社 (富山県黒部市)
- 行田八幡神社 (埼玉県行田市)
- 熊野神社 (東京都多摩市)