「山を司る神様」で、伊邪那岐・伊邪那美二神より誕生したとされています。
国土全体を山で覆われた我が国において、
大山津見神を守る神社が約3000社以上もあると言われています。
国土の約7割を占める山の支配者
大山津見神は日本の山の神の総元締として知られる、極めて重要な神様です。
「大山津見」とは「大山に静まる霊(み)」という意味で、
この神が山々を統括することを示しています。
多くの神々の父神
大山津見神は、富士山の女神・木花咲夜毘売命(このはなのさくやひめ)と
その姉である石長毘売(いわながひめ)の親神です。
木花咲夜毘売命が天孫・邇邇芸命の妻となったことにより、
皇族の血筋が山(地上)の霊力を得て、統治の正当性を持ったことを意味しています。
大山津見神は、娘の木花咲夜毘売命が火遠理命を生んだ時これを喜び、
祝いの酒を醸し神々に振る舞ったことから、このことが酒造りの始まりとされ、
後に「日本酒の祖神」としても信仰されています。
また、八岐大蛇を退治する話で、須佐之男命の妻となる櫛名田比売(くしなだひめ)の
父母である足名椎神(あしなづちのかみ)・手名椎(てなづちのかみ)の父親と言及され、
「国津神大山津見神」と呼ばれています。
また、やはり須佐之男命の妻となった神大市比売(かむおおちひめ)の祖神としても
登場しています。
三島信仰
「大山津見神」は別名「和多志大神」(わたしのおおかみ)と言い、
「海の神」としての性格も持っています。
三島神社の総本社である大山祇神社は、瀬戸内海の中心をなす島に鎮座し、
瀬戸内水軍の守護神として、また武門の守護神として崇拝されました。
また、伊豆に流されていた源頼朝が三嶋大社を篤く信仰したことから、
武人の守護神となり、源氏を始め、多くの武家に崇敬されるようになりました。
そうした縁から、大山祇神社には武将達から大量の武具、刀剣類が奉納され、
現在も神宝、文化財として保管されています。
神名
- 大山祇神
- 大山積神
- 酒解神 (さけとけのかみ)
- 和多志大神(わたしのおおかみ)
ご利益(神徳)
- 山林守護
- 農業守護
- 航海守護
- 漁業守護
- 醸造守護
大山津見神の伝承地
- 伊予国乎知郡御嶋(現在の愛媛県今治市)
- 摂津国御島 (現在の大阪府高槻市)
お祀りする神社
- 大山祇神社 (愛媛県今治市大三島)
- 大山阿夫利神社(神奈川県伊勢原市)
- 三嶋大社 (静岡県三島市大宮町)
- 三島鴨神社 (大阪府高槻市三島江)
- 梅宮神社 (京都府京都市右京区梅津)