菊理媛神(くくりひめのかみ)は、『日本書紀』にたった1か所だけ登場する
謎の多い女神です。「古事記」に至っては記述がありません。
黄泉の国で伊邪那岐命と伊邪那美命の間を取り持った女神
黄泉の国から逃げ出した伊邪那岐命が伊邪那美命と
地上世界と黄泉の国の間にある黄泉平坂(黄泉比良坂)で言い合いをしている時、
黄泉の国の番人である
「泉守道者」(よもつちもりびと)と「菊理媛神」(くくりひめのかみ)が登場して
その仲裁をし、その言葉に二柱は納得し、
黄泉の国とこの世に戻ることが出来たと言われています。
生者と死者を仲介する巫女を象徴化したとも言われています。
主なご利益
伊邪那岐命と伊邪那岐命を仲裁をしたこと、
「和合」のご利益があるとされています(夫婦和合を含む)。
また、二柱の神様がが円満に分かれることになったことから、
「縁切り」のご利益があるともされています。
その他、菊理媛(くくりひめ)の「くくり」は「括る」という意味もあることから、
縁を括る「縁結び」のご利益もあります。
その他、安産、子育て、子授けのご利益など、主に女性守護のご利益があります。
また、菊理媛(くくりひめ)は、
北陸の霊山・白山の女神「白山比咩」(しらやまひめ)と同一神とされています。
「白山比咩神社」(しらやまひめじんじゃ)は
全国に3000近くある白山社の総本山とされています。
白山は、奈良時代の僧侶・泰澄(たいちょう)により開山されて、
越前の白山中宮や美濃の白山本地中宮など、
複数の拠点を擁する修験道の中心地として繁栄しました。
- 縁結び
- 夫婦和合
- 五穀豊穣
- 安産
- 商談成立
祀られている神社
- 白山比咩神社(石川県白山市)
- 長滝白山神社(岐阜県郡上市)
- 全国の白山神社