うまずたゆまず

コツコツと

酉の市

f:id:linderabella:20201225131317j:plain

 
「酉の市」とは、関東を中心とした神社で、
11月の酉の日の酉の刻(午後5時~7時)頃から開かれる露店市です。
「大酉祭」(おおとりまつり)、「お酉様」(おとりさま)などとも言われます。
 
熊手や招き猫などの縁起物を買い、一年の無事と来る年の福を願います。
 
酉の日は12日毎に回ってくるので、
1回目を「一の酉」、2回目を「二の酉」と言いますが、
11月に3回巡ってくる年もあり、
「三の酉」まである年は火事が多いとも言われています。
 
 

酉の市の始まり

「酉の市」が始まったのは江戸時代。
「春を待つ 事のはじめや 酉の市」と芭蕉の弟子の宝井其角が詠んだように、
正月を迎える最初の祭りとされていました。
元々は、現在の足立区にある「大鷲神社(おおとりじんじゃ)の近くに住む農民が
鎮守である「鷲大明神」(おおとりだいみょうじん)に感謝した収穫祭で、
鷲大明神に鶏を奉納し、集まった鶏は浅草の浅草寺まで運んで観音堂前に放したと
言われています。
 
東京都内では、
発祥の地とされる足立区の「大鷲神社」、浅草の「鷲神社」が有名ですが、
他にも30ヶ所以上の神社で市が立ち、賑やかな年の瀬の風物詩になっています。
 

かっこめ(熊手御守)

小さな竹の熊手に、稲穂や札を付けた酉の市のお守りです。
「かっこめ」とは、熊手で福を「かっ込もう」という、縁起担ぎの呼び名です。
 
 金銀財宝を詰め込んだ熊手には、
 隠し絵のように縁起物が盛り込まれています。
  • 鶴     =長寿
  • 矢     =当たる
  • 鯉     =立身出世
  • 七 福 神 =福を呼ぶ
  • 打ち出の小槌=お金が儲かる
 
 
翌年は更に大きな招福を願って、
年々大きな熊手に換えてゆくのがよいとされています。
毎年買う予定なら、最初は小さめから始めたほうがよいかもしれません。
 

江戸っ子の粋な買い方

縁起熊手は、値切れば値切るほど縁起が良いとされていますので、
う~んと値切って粋に買いましょう。
但し、これは売り手と買い手のやりとりを楽しむものですので、
値切った値段のまま安く買うのは野暮というもの!
最初に聞いた値段で払い、値切った分のお釣りはもらわずご祝儀にする、
これが粋だとされています。
 
値段を聞く → 値切る → 更に値切る → もっと値切る → 商談成立
 

熊手の飾り方

この熊手でかき込むのはゴミではなく「福」ですので、
福を取り込みやすいように、
玄関などの入り口に向けて少し高いところに飾るか、神棚に供えて
お正月を迎えます。 
 

酉の市名物「八頭」

「酉の市」で売られている大きな芋のことです。
古来より「頭の芋」(とうのいも)とも呼ばれ、
人の頭に立つように「出世出来る」と言われ、
更に一つの芋から沢山の芽が出ることから「子宝に恵まれる」という縁起物です。
 

酉の市名物「切山椒」

酉の市の縁起物の一つに「八頭」と並び「黄金餅(こがねもち)がありました。
黄金餅」とは「粟餅」(あわもち)のことで、
粟餅の黄色が金色の小判によく似ていたことから、
「金持ちになるように」との縁起で売られていました。
現在、黄金餅(粟餅)を商うお店は無くなりましたが、
年の瀬を告げ、正月用の餅菓子である「切山椒」(きりざんしょ)が売られています。
 
「山椒」は日本最古の香辛料で、
葉、花、実、幹、樹皮に至るまで、全てを利用する他、
山椒の木はとても硬いのですりこぎや杖としても利用されています。
このように捨てるところがなく、全てが利用出来る(有益である)との縁起から
「切山椒」が商われるようになりました。
 
また、酉の市で「切山椒」を食べると、冬に風邪を引かないと言って人気です。
 

f:id:linderabella:20200616092637j:plain