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お雑煮

 「お雑煮」は
歳神様(年神様)にお供えした「餅」のご利益を頂戴するために、
年神様(歳神様)の魂が宿った「餅」を
野菜や鶏肉、魚介などと一緒に煮込んで作る、
お正月には欠かせない料理です。
 
 

お雑煮の由来

「お雑煮」の歴史は古く、
平安時代から既に食べられていたと言われています。
「お餅」は古くから農耕民族である日本人にとって、
お祝い事や特別な「ハレの日」に食べる「ハレ」の食べ物でした。
歳神様に供えた餅や里芋、人参、大根などを、
その年の最初に井戸や川から汲んだ「若水」と、
新年最初の火で煮込み、
元旦に食べたのが始まりと言われています。
 
「お雑煮」は、様々な具材を煮合わせて煮雑ぜたことが語源となり、
「お雑煮」と呼ばれるようになったと言われています。
 
お正月の三が日におせちやお雑煮を食べる際には
「祝い箸」という両方の先が細くなったお箸を使いますが、
これは一方を「人」が使い、
もう片方は「神様」が使う「神人共食」を表したものです。
 
 

 「祝箸」(いわいばし)

 新年の食事に用いる白木の祝い箸。
 「両口箸」「丸箸」「俵箸」「柳箸」とも呼ばれます。
 両端が細く、真ん中が太い形なので「太箸」とも呼ばれます。
 両端が細いのは、
 片方を歳神様がお使いになるからと言う説があります。
 
 正月のおせちに使用する場合は、大晦日の12月31日に
 家長が箸袋に家族全員の名前を箸袋に記入して、神棚に供えます。 
 家長の物は「主人」と書き、
 取り分け用の箸には「海山」または「組重」などと 
 書きます。
 使い捨てにせず、
 「松の内」の間、自分用の祝箸として大事に使います。
 そして処分は自宅でするのではなく、
 感謝の気持ちを込め、天に返す「お焚き上げ」の際に
 一緒に燃やしてもらうと良いと言われていますので、
 時期をみて神社に持参してみるのがいいでしょう。
 
 
 
室町時代には、
武士の宴会では必ず一番初めに酒の肴として
「雑煮」が振る舞われていました。
当時は餅の原料となる米は高価なものであったため、
庶民のお雑煮には、
餅の代わりに里芋が入っているのが一般的だったようです。
 
江戸時代に入り、一般庶民でも餅が簡単に手に入るようになる頃には、
味噌や醤油などの味付けや、丸餅と角餅などの東西の違いがあったと
考えられています。
 

お雑煮

 「お雑煮」は地方によって様々な特色があり、
材料も作り方も違います。
 

関西では昔から「円満」を意味する縁起物の
「丸餅」が主流です。
江戸時代、人口が集中していた関東周辺では、
ひとつずつ手で丸める丸餅よりも、
一度に多く作れる「角餅」が主流です。
 
<お餅の意味>
  • 餅はよく伸びるため、長生きの象徴
  • 丸 餅:家庭円満
  • 角 餅:土蔵が建つことから家が栄える
  • のし餅を切った角餅:敵をのす(倒す)
 
関ヶ原の戦いの影響で
西日本が「丸餅」、
東日本が「角餅」に分かれたという説もあり、
岐阜県、三重県、滋賀県の辺りは
同じ県内でも「丸餅」と「角餅」が混在しており、
境目ならではの面白さがあります。
 
また、香川や愛媛では「あんこの入った餅」を使用します。
形以外には、焼いて入れるか煮て入れるかの違いも、
全体の風味や食感に大きな影響を与える重要なポイントとなっています。
 
 
「鏡餅」は
年神様(歳神様)へのお供えであると同時に、
年神様(歳神様)の依り代ですので、
神様にお帰り頂く「松の内」が明けるまでは食べてはいけません。
 
 
また神様が宿っている「鏡餅」は
包丁を使わずに木槌などで割って使いましょう。
お雑煮を食べる際は、
「毎日、お餅をひとつずつ増やしながら食べる。」
「おせちを食べた後に、お雑煮を食べる。」
このことを意識すると、縁起が良くなると言われています。
 

京都では「白味噌仕立て」が多く、
近畿を除く西日本と関東では「すまし汁仕立て」が圧倒的に多いです。
個性的な所では、
能登半島の一部や地域や出雲地方では、
「小豆雑煮」と呼ばれるぜんざいのような見た目のお雑煮です。
岩手では「くるみ雑煮」という、
クルミを擦ったものに砂糖や醤油で味付けしたタレを添えて、
お雑煮の餅を付けて食べる二椀セットのお雑煮があります。
 

具材

お雑煮の具には、縁起の良い大根や人参、ネギなどの野菜が入ります。
  • 里芋:子芋をたくさんつけるため、子孫繁栄
  • 大根:角が立たないように丸く切って、家庭円満に過ごす
  • 人参:赤色であるため魔よけの効果がある
 
その他、その土地柄を感じさせる産物が入ります。
東北では「山菜」や「キノコ類」、新潟では「鮭」や「イクラ」、
千葉は「青海苔」、島根では「岩海苔」や「ハマグリ」、広島は「牡蠣」
などです。
 
武家文化の強い関東では、
小松菜や鶏肉を入れて「菜鶏」(=「名取り」)とし、
敵の大将の首を取って名乗りをあげるようにとの願いが込められています。
一方、京都では「人の頭になって過ごせるように」との願いを込めて、
「頭芋」(かしらいも)を入れます。
 
 

珍しいお雑煮

香川県「あん餅雑煮」

香川では、白味噌の汁の中にあん餅を入れたお雑煮「あん餅雑煮」を食べます。
白味噌の塩味とあん餅の甘さが、ほどよくマッチした絶妙な味です。
 

奈良県「きな粉雑煮」

奈良のお雑煮は白味噌仕立てです。
その白味噌汁の中に入っているお餅を取り出して、
きな粉をまんべんなく付けて食べるため、「きな粉雑煮」と呼ばれています。
きな粉を付けずにそのまま食べる方もいますが、安倍川餅のようにきな粉を使うと、
味のアクセントとなって美味しいと好評のようです。
きな粉が添えられるようになった由来としては、下記の諸説があるようです。
  • きな粉には、悪霊を追い払う願いが込められている。
  • 農作物の豊作を祈願する黄色が使われている。
  • 腹持ちを良くするためにきな粉を使用している。
  • 奈良県は、地域的に海から離れているため、たんぱく源としてきな粉が使われている。
 

岩手県「くるみ雑煮」

岩手県宮古市では、
くるみだれを付けて食べる「くるみ雑煮」が愛されています。
煮干し出汁のすまし汁に、
三陸沖で獲れたイクラを沢山乗せたお椀で頂きますが、
これに甘いくるみだれを組み合わせたものです。
食べ方は、お餅を取り出し甘いくるみだれに付けていただきます。
 

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